若者と50代に刺さったNikon Z fc
ニコンでZ fcの商品企画を担当した映像事業部UX企画部UX企画一課のハウ・ネルソン氏も、「当初の想定以上に売れていて、一部の店舗では在庫切れになってしまったほど。また、ニコンのカメラとしては、SNSでの評判が過去最高レベルに高いと感じている」と手応えを語る。
では、なぜZ fcはそれほど売れているのか。その外観を見れば、クラシックカメラ風のデザインが魅力の一つであることが分かる。しかし、クラシカルなカメラは、OMデジタルソリューションズの「OLYMPUS PEN」や「OM-D」シリーズ、富士フイルムの「Xシリーズ」など、競合が複数ある分野。それらの中で改めてZ fcが注目されたのは、ニコンが「新たな写真の撮り方」を提案しつつ、70年以上ある同社カメラ製造の歴史をうまく利用したからだと言える。
日経ビジネスがNikon Z fcがどうしてヒットしたのかという記事を掲載しています。全文はかなり長文で詳細な記述がありますので、詳細が知りたい方は記事元リンクからご覧ください。
記事によればNikon Z fcは当初の想定以上に売れていて、SNSの評判も過去最高レベルに高いのだったそうです。そして、クラシカルなカメラという方向性のカメラとしてすでに発売されているOMデジタルのOM-Dや富士フイルムのXシリーズがあるにも関わらずZ fcが人気になっているのは、ニコンが過去の資産をうまく利用したからだとしています。つまり何か製品を購入するときに、その製品に歴史を感じることができる製品のほうが共感が得られやすいということなのだろうと思いますね。それがニコンがかつて販売していたフィルムカメラのNikon F2やNikon FMという往年のカメラのイメージがはまったということのようです。
設定をじっくりいじって撮影
Nikon Z fcは各種の設定をじっくりと設定してもらって、それから撮影するという方法を提案するカメラなのだそうです。そのため、ISO値、露出補正、シャッター速度などを設定したり確認しやすいよう徹底されているとしています。なのでF値も見やすいようにF値を表示する液晶が本体上部に設定されているのだと理解できます。
ちなみにF値に関してはレンズ側のコントロールダイヤルを「絞り値」の設定にすることでレンズ側で絞り値を決定することが可能になっています。
今ではフルオートで、ボタンを押すだけで撮影できるのがデジカメですが、自分で様々な設定をして撮影を繰り返すことで、偶然かもしれませんが面白い写真が撮影できることもありますよね。そこから新しい表現方法を学習していって、カメラで写真を撮影するという楽しさを知ってもらいたいということなのだろうと思います。
個人的にはISO値のダイヤルにAUTOがあったほうがよかったのではと思いましたが、たぶんニコンもISOのダイヤルにAUTOを設定できるようにするかどうか悩んだと思います。その結果、本来の提案に基づいて、わざとISOのダイヤルではAUTOを選べないようにしたのではないか?と思えるようになりました。もちろん、背面液晶の設定画面からISOをAUTOにすることができるのですが、ISOがAUTOでは、確かに自分で様々な設定をして撮影するメリットは半減してしまうのではないかなと思います。なのでわざとAUTOには設定しにくいよう背面液晶からの設定変更が必要としている可能性もあるのかなと思います。
Nikon Z fcは簡単に撮影できるようなカメラではないかもしれませんが、自分で設定して撮影するという楽しさを求めるカメラとしてはいいカメラだなと思いますね。もちろんISOをAUTOにして、その他もプログラム撮影モードにすれば完全フルオートでの撮影もできるので、クラシカルなデザインのカメラが欲しいけど、ボタンを押すだけで撮影したいという人にも向いているかなと思います。
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コメント
コメント一覧 (1件)
ニコンの持っている”歴史”を上手くカタチにしましたよね。
てっきりDfが商売的に失敗したのでもうこの手のカメラをニコンが出すことはないかと諦めていましたが、よくぞ出してくれたと思いました。
ただ個人的にはIBISがあればと思ったりFX版が出てくれればとも思ったりしますが、Z fcの一先ずの成功を見てニコンがこれからこの路線の機種をどうしていくのか注目ですね。
レンズも28/2.8 SEのようなものを他にも用意するのか(40/2のSE版はほしい)。
Z 5かZ 6を基にしたFX版Z fcも是非とも出してほしいですが。