ソニーが1.2億画素のグローバルシャッター搭載CMOSセンサーを商品化
デジカメWatchがソニーが商品化した新しいイメージセンサーについて報告しています。
ソニーは3月9日、CMOSイメージセンサー「IMX661」の商品化を発表した。カラー品と白黒品を用意。産業機器向けとして、2021年4月のサンプル出荷を予定している。
独自のグローバルシャッター画素技術「Pregius」により、産業機器向けカメラに求められる動体歪みのない撮像を可能にするという有効1億2,768万画素のイメージセンサー。グローバルシャッター機能搭載のCMOSイメージセンサーで業界最多の画素数としている。
センサーサイズは3.6型(対角56.73mm。46.2×32.9mm)で、一般的なCマウントレンズに対応する1.1型センサーの約10倍の面積だという。独自のデバイス構造とインターフェース技術により、同社従来比で約4倍という高速な画像読み出しも実現。これらの多画素化と高速化により、産業用途における生産性の向上に貢献するという。
記事によれば、ソニーがグローバルシャッターを搭載したイメージセンサーを商品化することを予定しているようです。画素は約1億2000万画素という超高画素で、ローリングシャッター歪みのないグローバルシャッター機能を搭載しているとしています。
またセンサーサイズは3.6インチで、もうちょっとした液晶ぐらいのサイズの大型センサーということになりますね。
CMOSセンサーは高速な読み出しが可能なのですが、画素が1億画素もあると逐次1ピクセルごと読み出していると、読み出しの最初と最後では大きな時間差が発生してしまいます。それが原因で、ローリングシャッター歪み、いわゆるコンニャク現象が発生してしまいます。
グローバルシャッターはすべての画素のデータを同時に一斉に読み出すことができる機能なのですが、今までは一種の神話か、都市伝説のようなものと扱われていましたが、やっと最近になってそれが実現できるようになるまで技術が向上してきているようですね。
海外では富士フイルムがグローバルシャッター搭載のミラーレス発売と噂も
このセンサーの発表で沸き立ったのが、海外の富士フィルムに関するニュースサイトです。というのも、このセンサーはまさに中判センサーのサイズそのものと考えることができるからですね。
記事によれば、センサーサイズは46.2×32.9mmとなっていますが、富士フイルムのGFX100はセンサーサイズが43.8mm×32.9mmのセンサーを利用しています。ほぼ同じサイズですので、富士フイルムのGFXシリーズに搭載することが可能なようにも見えます。
このことから、次期の富士フイルムのGFXシリーズには、このグローバルシャッター機能が搭載したイメージセンサーが搭載される可能性があるのでは?ということで期待されているということですね。グローバルシャッターは夢の機能ですので、ミラーレスにその機能が搭載されることを望んでいる人が多いのもわかります。
ですが、記事では、このセンサーは産業用向けとしていますので、そこまで考えるのはちょっと時期尚早なのかな?という感じがします。ですが実際に発売されて実現したら面白いと思います。将来的にそのような商品が発売されたら面白いことになりそうですね。
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コメント
コメント一覧 (2件)
これはセンサーのみで1個150万円するみたいですので
一般人が買えるデジカメに搭載されるには早くて5年はかかるのでは。
少し前に話題になっていたIMX661LQA-Cですね。
サンプル出荷の開始は4月の筈ですが、すでに杭州HIKROBOTにて早くも導入が行われるようです。
民生向けでは高価格の問題があるグローバルシャッターですが、億画素級やニア億画素の大きなGSセンサーも既に製品化されており、
産業用においてはその用途柄グローバルシャッターセンサーを製造するメーカーも数あって、小から大までかなり激戦の様相になっています。
テレダイン・イメージングが86MPで対角約80mmと6×6判にも匹敵する怪物級の特大GSセンサーを作っていたり
長春Gpixel製のGMAX32103(36.1×29.4mm 2.9型)といった、対角46.5mmとRED MONSTRO 8Kに近い100MP級グローバルシャッターもあれば
すでに約5年たち、それなりに古くなった47.5MPフルサイズのGSイメージセンサーCMV50000(36.4×27.6mm対角45.7mm DR64db 現在のセンサー単価約50万円)を作っている墺ams(ベルギーCMOSIS)などもあり
ソニーにとっては民生で主力のモバイル用イメージセンサー以外も、こうした産業分野のイメージングでも競合企業が多いため、多方面から圧力が加わっている儲け辛い環境にある中での中判産業用GSセンサー投入となります。
産業用センサーからの民生転用は、豪AchtelがGpixel GMAX3265(35mmスタンダード相当の65MP産業用GSセンサー DR66db)を採用したシネマカメラ(AUDレート換算で約1600~1700万円)を製作した例があるように、小規模企業でもできない事はない時代になっているのですが、
落ち着いた値段だったものの、発表後にGS機能削除で発売となったURSA mini 4.6KとBAE子会社の方のフェアチャイルド・イメージングLTN4625Aカスタム?(25.3×14.3mm 16:9 DR88db RS/GS切替機能など基本諸元が一致)の例もあり、GSの性能面と価格両方の課題は難物のようです。
約5年落ちでもナローなDRのフルサイズグローバルシャッターは50万しており(民生用と仕様要求が異なり充足する)、民生向けで高コストを正当化できる範囲に届くには今しばし工夫する所かもしれませんね。