フランジバックを最も短くしたのは作戦でしょうか?
中国KIPONは、キヤノンEFマウントレンズをニコンZマウントに変換するAF(オートフォーカス)対応マウントアダプター「CANIKON」を初披露した。「3万円台で6月に発売したい」と展示担当者は話す。
これまでも各社のマウントに対応するマウントアダプターを作ってきたKIPON。「レンズとボディの通信プロトコルをキヤノン、ニコンからもらえなかったため、開発難易度が高かった」(担当者)という。
それでも開発したのは、「EFレンズは種類が豊富にあることと、Nikon Z6/Z7の評判が良いことの2つが理由だ」(担当者)
実機で試すことはできなかったが、AF速度については「望遠は(合焦速度が)少し変わるかもしれないが、それ以外は純正とほぼ変わらない」とした。
各社マウントアダプターメーカーの製品を取扱い、販売する焦点工房のブースでは、ソニーのフルサイズ向けEマウントレンズをニコンZマウントで利用可能にするAF対応マウントアダプター「TECHART TZE-01」を世界初披露した。価格は2万5000円(税別)で、6月に発売する。
フルサイズミラーレスマウントからフルサイズミラーレスマウントへ変換するAF対応マウントアダプターとしても、世界初の製品となる。
TZE-01を利用すれば、Nikon ZボディにソニーEマウントレンズを装着してAF撮影できる。
さらにTECHART製のライカMマウント→ソニーEマウントのマウントアダプター「LM-EA7」や、キヤノンEFマウント→ソニーEマウントのマウントアダプター「TCS-04」を重ねて使える。これにより、Nikon ZボディでEFレンズやMレンズのAF撮影も可能になるという。
実機で試したところ、「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」や「FE 24-105mm F4 G OSS」とTZE-01、Nikon Z6の組み合わせではかなりきびきびとピントが合う(合焦する)印象を受けた。
さらにLM-EA7を重ねた場合、LM-EA7自体がレンズを前後に動かすことでピントを合わせに行く。レンズ内蔵のAF機構は用いないため、Mマウントへ変換するさまざまなマウントアダプターを用いることで各種マウントのレンズでAF撮影ができるようになる。
各社フルサイズミラーレスの中でも先駆けてソニー「α7」が発売されていたため、過去のフルサイズ向けレンズ資産をフルに活用にすべく、さまざまなマウントからソニーE向けに変換するマウントアダプターが発売されている。
こうした各種マウントアダプターは、今後Zマウント向けにも発売されていくと期待できる。しかし、先にソニーEからNikon Zへのマウントアダプターを用意することで、α7系で利用できるレンズ資産をそのままNikon Zで利用できる可能性が一足飛びに開けた。
もちろんただちに全てのレンズが利用できるようになるというわけではなく、非純正のマウントアダプターという性質上、動くレンズもあれば動かないレンズもある。当然、純正レンズ同等の速度での動作は見込めない。
それでも、まだまだZマウントレンズがそろわない中、ニコンFマウントレンズに加えてさらに使えるレンズが増えるのは、フルサイズミラーレス市場においてニコンの追い風になるのではないだろうか。
(記事を一部引用しています)
ちょっとだけニコンに追い風かもしれません。ニコンのZマウントにソニーのEマウントレンズを取り付けるアダプタや、キヤノンのEFレンズをZマウントに取り付けるアダプタが発売されるようですね。
記事元に詳しい説明がありますが、これができるのもニコンのZマウントのフランジバックが、他社と比較して最も短いので、こういうことが可能になっています。
フランジバックとはマウント面(レンズを取り付ける平面)とセンサーの距離のことです。例えばフランジバック50mm用のレンズを、フランジバック20mmのレンズに取り付ける場合には30mmの幅のアダプタを装着すれば利用できるということになります。しかし、20mm用のレンズをフランジバック50mm用のレンズに取り付けることはできません。短いぶんには継ぎ足せばいいですが、長いものを切断することは不可能だからです。
というわけで、各社様々なフランジバックで設計しているわけですが、ニコンのフランジバックは各社最短の16mmですので、なんとニコンはどのメーカのカメラのフルサイズミラーレス用のレンズでもアダプタを介して利用できるということになるわけですね。
ということは、各社のレンズを、利用することができれば、レンズラインナップにおいてニコンはチャンピオンになる可能性があるということになります。
ですが、いくつか問題もあります。
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まず一つは機能の問題です。本来はキヤノンならキヤノン、ソニーならソニー用に作られているレンズですので、そのレンズをNikon Zに装着したとしても、本来の性能が発揮できない可能性があります。例えばオートフォーカスが遅くなるとか、測距モードすべてに対応しないとか、オートフォーカスが甘くなるというようなこともあるかもしれません。またAF追従が遅いという可能性もありそうです。
上記の記事によればAFはほとんど変わらないということで、素晴らしいですが、フォーカスポイントが中央1点のみなどという制限がある可能性もあるので、そこらへんはちゃんと仕様を確認する必要がありますね。
次は設計精度や耐荷重の問題です。マウントアダプタはカメラとレンズの間に入れることになるので、設計精度がわるいとしっかり装着できず、画質が悪くなる可能性がありますね。また耐荷重についても通常のレンズのときより下がる可能性も考えられます。なんてったってFEレンズをZマウントに取り付ける場合には2mmのマウントアダプタになるわけですから、強度が足りない可能性があり、通常より丁寧に扱う必要がでてくる可能性もありますね。
なので同じような性能のレンズがある場合には、ニコンの純正品を購入したほうがいいと思いますが、特定のメーカにしかない尖ったレンズがほしい場合や、すでにソニーのフルサイズミラーレスを所有していたり、キヤノンの一眼レフ用のレンズを所有していて、Nikon Zがほしいなあという人にとっては、レンズ資産が無駄にならずに済むため、このことはニコンにとっては追い風にはなりそうですね。そのうちRFマウント用のレンズをNikon Zで利用するアダプタも発売されると思いますので、キヤノンのフルサイズミラーレスからNikon Zへ移行することもできるようになると思われます。
詳細は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。
(記事元)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190301-00000084-zdn_n-sci
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