ニコンのミラーレス省電力化に関する特許
【課題】動画の記録動作中または画像の表示動作中における消費電力の低下を図ること。
-特許情報プラットホームより
【解決手段】撮像装置は、被写体を撮像して画像データを生成する撮像素子と、前記撮像素子によって生成された画像データをデータ処理する際の消費電力が異なる複数のデータ処理部と、動画の記録または表示の動作中に前記複数のデータ処理部のうち特定のデータ処理部を選択する選択部と、前記選択部によって選択された特定のデータ処理部を活性化状態に制御し、前記複数のデータ処理部のうち前記特定のデータ処理部以外の他のデータ処理部を非活性化状態に制御する動作制御部と、を有し、前記選択部は、表示デバイスに表示されている動画のフレームレートが所定フレームレート以上である場合、前記複数のデータ処理部のうち前記活性化状態のデータ処理部よりも消費電力が低いデータ処理部を前記特定のデータ処理部として選択する。
ニコンがミラーレスカメラの省電力化を実現する特許を出願しています。といっても、これは2017年に出願していた特許の分割の特許となっています。前回の出願では審査請求をしていませんでしたが、今回の出願では審査を請求しています。
というわけで以前にすでに公開されていた特許内容になるわけですが、内容が面白かったので今回、紹介したいと思います。
今回の特許では、簡単にいうとイメージセンサーからの画像データを処理するイメージプロセッサのようなものを複数設定して、それを切り替えるという処理を行っているようです。そのイメージプロセッサは、一つは実際に画像データとしてメモリに記録するための処理をするイメージプロセッサで、もう一つはEVFや背面液晶に表示させるための処理をするイメージプロセッサというような感じになっているようです。
EVF用は背面液晶に表示させるには、さほど高性能なイメージプロセッサを利用する必要がないので、低品質=電力消費の少ないイメージプロセッサを設定することで、場合によってそれぞれ切り替えるようなことをして電力消費を最低限にしようという仕組みだと思います。
例えば、静止画の撮影では、EVFや背面液晶に表示させるために消費電力の少ないイメージプロセッサを利用し、撮影してメモリに保存したい画像データを高性能なイメージプロセッサで処理するというようなことをしているようですね。
一眼レフより消費電力が多いミラーレスカメラ
ミラーレスの場合、一眼レフとは異なりEVFを利用しているため、そのぶん一眼レフよりも電力消費が多くなってしまいます。また、EVFだけでなくEVFに表示させるためにイメージセンサーを動作させなければなりませんし、イメージセンサーのデータをEVFに表示するために加工するシステムも動作させなければならないので、一眼レフと比較すると電力消費がどうしても多くなります。
そのためEVFや背面液晶に表示するときには低消費電力の処理系を利用して、実際に撮影に必要なときだけ高性能な処理系を利用するというのは理にかなっている方法だなと思いますね。
これは、スマホのCPUや最新のPC用のCPUにも実装されている考え方で、あまり計算能力が必要ない処理は低消費電力のコアを利用し、計算能力が必要なときだけ消費電力は多くなるけれども高性能なコアを利用するということを応用した考え方と言えるかもしれません。
今回、このような特許が実際に審査申請されたということで、実際に何かしらの製品として登場する可能性が高くなったのかなと思います。大幅に電力消費が少なくなるということはないかもしれませんが、より高性能なイメージプロセッサを搭載しようとすると、より消費電力も大きくなるので、何かしらの対策が必要だったのかも知れません。
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