――RF600mm F11 IS STMとRF800mm F11 IS STM、いずれも絞りはF11とかなり暗く、しかも絞りは固定となっています。ここまで思い切った仕様のレンズをリリースした経緯をお聞かせください。
家塚さん:かつて、マニュアルフォーカスのフィルム一眼レフカメラ時代、レフレックス(ミラーレンズ)の500mm F8といったレンズが多数ありました。ただ、ピントを合わせるファインダースクリーンがスプリットの場合、開放値がF8と暗いので見えづらく、実際はピントがなかなか合わせられませんでした。本レンズは、開放値をさらに暗いF11としましたが、そのような開放値でも高速&高精度のAFが利用できるEOS Rゆえに誕生したレンズといえます。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.mynavi.jp/article/20201127-1531177/
RF600mm F11、RF800mm F11の開発秘話
マイナビニュースがRF600mm F11、RF800mm F11についてキヤノンとのインタビュー記事を掲載しています。記事はもっと詳細ですので全文は記事元リンクからご覧ください。
キヤノンが発売したRF600mm F11 IS STMとRF800mm F11 IS STMは、その絞り値と価格から大きな反響をよんでいます。使い物にならないのではないか?という意見もあったりしましたが、いまの高感度化したセンサーと像面位相差センサーによって、特に問題ないという評価も多いですよね。
今回の記事は、そのRF600mm F11 IS STMとRF800mm F11 IS STMの発売や開発に関する話題が掲載されています。まず、コンセプトとしては超望遠撮影を身近なものにしたいということから始まり、開放f値が大きいと一眼レフではAFが利用できないなどの問題があったが、ミラーレスであることによってその問題は解決したとしています。なんとf/22まではAFが可能なのだそうです。
ということはf値を許容して超小型な望遠レンズを作ってみような?と思う気持ちも理解できますね。社内ではそのようなレンズの開発は問題視され、一種の掛けで開発したようですが、できた製品は社内の評判もよかったそうです。
ミラーレス化、大口径化の使いどころ
ニコンがZマウントを、キヤノンがRFマウントを開発して、ショートフランジバックで口径が大きなマウントを利用できるようになりました。一般的にショートフランジバックはレンズと後玉とセンサーの距離を、より近づけることができるため広角レンズ設計時には、いわゆる逆望遠のようなレンズを組み込む必要がなく、設計の自由度が増し、特に広角レンズの設計には有利になると言われていました。
さらにマウント口径が大きくなることで、より大口径のレンズが作りやすくなると言われていて、確かにその通りにニコンもキヤノンも、一眼レフの標準単焦点レンズはf/1.8がスタンダードでしたが、ミラーレスではf/1.4かf/1.2ぐらいがスタンダードといってもいいぐらいなほど、レンズの大口径化が進んでいます。価格も高いです。
普通はそっちのほうだけに目が向くと思うのですが、そこはさすがキヤノンですね。ミラーレスの利点を別の方向に利用できないか?と考えて、開放f/11の超望遠レンズの開発を考えたのだと思います。確かに一眼レフでは使えないレンズかもしれませんが、ミラーレスでは実用的に利用できるというとで、ミラーレス化によるメリットをうまく使ったレンズなのかな?と思いますね。気軽に超望遠撮影を楽しむという意味で、野鳥の撮影などでは非常に重宝されるのではないでしょうか?
そして記事では400mm f/8の検討もしていたそうです。ですが、インパクトを考えて600mmと800mmにしたということです。もし人気があればシリーズ化の可能性もあるようで、そうなると400mm f/8とか、300mm f/5とか非常に廉価な望遠レンズが揃う可能性がありますので、そうなると一般的なカメラを趣味とする人にとっては非常に嬉しいかもしれませんね。
[template id=”4241″]
コメント
コメント一覧 (1件)
このレンズを天体望遠鏡としても使おうと考える人が出そうです。
800mmならば直接焦点で月の直径は8mmに写りますし
沈胴状態でRFマウントにドローチューブユニットが取り付けられるように
すればアイピースで眼視にもつかえそうです。
ただし分光特性が人間の目にも合う事とISユニトが休止状態の時に
中央にある事が必要ですが。
天体望遠鏡のアポクロマート鏡筒が同じような価格なのでこれで
賄おうとする人がでそうです。
夏に家族でキャンプに行った時に楽しめそうです。
専用のドローチューブユニットは個人企業が出さないかな?