ニコンが透明導電性薄膜の新技術を開発
株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区、以下「ニコン」)と国立大学法人東北大学多元物質科学研究所(研究所長:寺内 正己、宮城県仙台市、以下「東北大学多元物質科学研究所」)は、水に安定的に分散するITOナノ粒子※1を独自に開発し、環境への負荷が低い成膜方法である「ミストデポジション法」※2による透明導電性薄膜の製造に成功しました。
フレキシブルな液晶パネルや有機ELパネル、太陽電池へのニーズが高まっていることから、ニコンはそれらの製法の1つである「Roll to Roll」工法の研究を進めています。「Roll to Roll」工法で用いる装置本体やその周辺技術について、ニコングループ内にとどまらず、社外の研究機関とも共同で研究・開発をしており、今回の東北大学多元物質科学研究所との共同研究もその一環です。本発表は、「Roll to Roll」工法の実現に近づく大きな成果といえます。
【概要】
透明かつ電気を流す「透明導電性薄膜」は、テレビ・スマートフォンなどの表示デバイスのキーマテリアルであり、環境に優しい製造プロセスが求められています。東北大学多元物質科学研究所の蟹江澄志教授らとニコンは、「透明導電性薄膜」の製造法として、「ミストデポジション法」を開発しました。この手法では、ナノ粒子を含む“霧”を用い、常温・常圧下の環境に優しい条件で、基板上にナノ粒子を緻密に堆積させることが可能です。別途開発したITOナノ粒子の水分散液を用い、「透明導電性薄膜」を製造したところ、常圧下、低温熱処理(150℃)の条件で、実用的なフレキシブルフィルムが得られました。この製造法は、従来のスパッタ法やインク塗布法に比べ、はるかに低環境負荷であり、カーボンニュートラルに大きく貢献します。
ニコンが透明導電性薄膜の製造の新技術を開発したと発表しています。画像はこのプレスリリースとは無関係のイメージ画像です。
プレスリリースによれば、透明で電気を流すことができる膜のようなものを素材に付着させる新技術のようです。そのような技術はこれまでもありましたが、低温かつ霧状にして吹き付けることができるようになり、熱に弱いフィルムに塗布したり、環境に優しい方法で実施することができるようです。
透明導電性薄膜は様々なところで使われているようで、液晶パネルやタッチパネル、車のフロントガラスに貼られている透明なフィルム状のアンテナですとか、太陽電池などにも利用されている他、例えば車のフロントガラスに何かしらの表示をさせたりみたいなこともできるようですね。
ニコンは半導体露光装置やFPD露光装置を製造していますので、これらの技術と既存の技術を組み合わせて素晴らしい製品ができる可能性があるので期待したいですね。
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