キヤノンが新しいタイプのイメージセンサーの高画素化に成功
イメージセンサーとして、測距センサーとして、未来の社会の「眼」となる
世界初、100万画素SPADセンサーの開発に成功
SPADセンサー(Single Photon Avalanche Diode)とはイメージセンサーの一種。イメージセンサーといえば、カメラなどに搭載されるCMOSセンサーを思い浮かべますが、SPADセンサーはCMOSセンサーと原理が異なります。
光に粒子の性質があることを利用することは同じであるものの、CMOSセンサーがある一定時間に画素に「溜まった光の量を測る」 しくみなのに対し、SPADセンサーは、画素に入ってきた光の粒(光子=フォトン)の「一つひとつを数える」 しくみです。画素に光子が入るとすぐに電荷に変換され、その電子はあたかも雪崩(アバランシェ)のように一つの光の粒をきっかけに倍増し、大きな信号電荷として取り出すことが可能になります。
キヤノンがSPADと呼ばれるイメージセンサーの高画素化に成功したそうです。ちょっと古い記事ですが、そのような情報があるというので調べてみたらありましたので紹介します。キャッチアップ画像はイメージ画像です。
記事によれば、SPADセンサーは、従来のCMOSセンサーのように光を貯めて、その量を計測することで光量を計測するのに対し、SPADセンサーでは入射した光の粒を一つずつカウントすることで光量を計測する仕組みのようです。
上記の画像の左側がCMOSで、右側がSPADです。CMOSはフォトンを貯めて軽量し、アナログ信号をデジタルに変換して出力していることがわかりますが、SPADセンサーはフォトンがやってくる度に直接デジタルに変換してカウントするようです。そして素晴らしいのはフォトンをカウントするので、そこにノイズが入り込む余地がなく、CMOSのようにノイズが入らないのだそうです。画期的ですね。
そして素晴らしいことに光量をそれぞれの画素でカウントする仕組みなので、1画素ずつ読み込む必要がなく全画素を同時に読み込めるのでローリングシャッター歪みがないそうです。グローバルシャッターが実現できることになりますね。
なぜこれまで製造できなかったのか
これまでSPADセンサーは、それぞれの画素と画素の間に隙間が必要で、多画素化するとどんどん隙間の面積が増えていき、有効な面積がどんどん小さくなってしまっていたそうです。
ところがキヤノンは新しい技術により、画素間の隙間をほとんどゼロにすることを可能にしたそうです。これにより多画素化しても利用できる面積が減ることがなくなったので、画素数を増やすことができるようになったようですね。
そうなると、今はまだ100万画素程度ですが、例えばAPS-Cサイズで2000万画素レベルまで高画素にすることができれば、十分にカメラにも利用できそうですし、ノイズがないので画像補正が少なく優れた画像が得られる可能性があるということになるので、とても期待したい技術といえそうですね。
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コメント
コメント一覧 (2件)
ミラーレスはイメイジセンサーの能力がより濃くボディの性能に表れるのでやはりセンサー製造に力を入れてるメイカーは強いですね。
CCDからCMOSへ、そして次はこのSPADセンサーの時代となり得るのか期待したいところです。
ソニーもウカウカしてられませんね。
夢のようなセンサーですね。
光子カウンターと言うことならばセンサーが飽和し白飛びするとか
黒つぶれするとかの概念は無くなりますね。
ダイナミックレンジの概念も無くなるでしょう。
産業用途を考えているようでデジタルカメラに使用できるのか
分かりませんが夢が膨らみます。