ニコンの今後のカメラ事業について
日本経済新聞がニコン幹部とのインタビュー記事を掲載しています。以下、一部を要約して引用します。全文は記事元のリンクからご覧ください。
・来期は4部門ですべて黒字化を必達目標としている
・消費者の購買意欲は強い
・Z 6IIなど高級機種は好調
・22年3月期も新型機、ミラーレス用レンズも18本から30本に増やす
・広告宣伝、研究開発はプロ、趣味層に向け集中投資
・売り上げが1500億円以下でも安定的に利益を得られるようにする
記事では、ニコンの今後の経営についてのインタビューがされていますが、上記は主にカメラ事業に関して要約したものを引用したものになります。
記事によれば、今期(21年3月期)はカメラ事業は赤字だけれども、来期(22年3月期)は黒字を目標にしているとしています。今期に工場の設備などを一括して減損損失として計上したので、来期に原価償却負担が減って、黒字になりやすい体質になるようです。ニコンは、様々な経営のスリム化を進めていて、売り上げが少なくなっても利益が出せる体質になるように努力をしているということのようですね。
カメラやレンズの新製品については、来年度に新機種を発売し、レンズも最低で12本ほど発売される可能性があるようです。18本から30本に増えるということからそれがわかります。
ただし、内容にはいくつか疑問点も。海外ではわかりませんが、国内では消費者の購買意欲は強いですかね?カメラ専門店のランキングでもニコン製品が上位に入ることはありませんし、Nikon Z 6IIのような高級機種が好調とは思えません。ただし海外では人気があるのかもしれません。
中高級機種に完全シフトか?
製品の広告や、研究開発の投資に関しては、今後は完全にプロフェッショナルやカメラを趣味とする人向けにフォーカスしていくようです。カメラを趣味とする人をどう解釈するかによって意見がわかれるかと思いますが、仮にハイアマチュア以上と解釈した場合、廉価コンデジ、廉価一眼レフなどについてはもう研究開発の対象に入っていない可能性も考えられるかもしれません。
以前、Nikon D5x00、Nikon D3x00シリーズは新製品が発売されずディスコンになる可能性があるのではないか?と報じられたことがありました。D5x00とD3x00の将来はどうなるのでしょうか?単純に上記の言葉を解釈すれば、D5x00やD3x00はハイアマチュアの人が購入する製品ではないように思えますので、これらはディスコンになる可能性もあると考えられそうです。
しかし、いまはスマホで撮影する人がほとんどで、カメラを購入する人は、カメラを趣味としているからこそ購入しているという解釈も可能です。そうなると、廉価一眼レフなどについても、カメラを趣味とする人向けということで研究開発の対象になっていると考えることも可能です。そうなると、カメラを趣味とする趣味層への投資対象と考えることもできるので、廉価一眼レフの今後にも期待できるのかもしれません。
いずれにせよ、今後はどちらかというと高級機へのシフトは間違いないところで、廉価コンデジなどについて取りかかることはほとんどないのかな?という印象ですね。そしてもし中高級機へシフトするなら国内でもっと多くのシェアが得られるぐらいの製品があるといいのかなという感じもします。
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コメント
コメント一覧 (2件)
今の日本ではロマンのあるものつぐりの訴求力が弱い。年寄りにはオーバースペックだし、若者にそんな夢がありません。ニコンの国別売り上げを見ればわかると思います。日本市場はどうでもいいくらい少ないです。日産みたいに活力のある外国にロマンある物作りを続ければいいじゃないでしょうか。
18本から30本とのことですが、現在16本+テレコン2本でロードマップに11本を予定している感じとなっているので、1本は未定でしょうか? 70-200mmF4、70-300mmF4.5-5.6がないので、この辺りでしょうか。どちらもないのがニコンZのみなので、可能性大? しかし他最低でも、APS-Cの超広角ズームも必要な気がしますが。
ソニー寄りのラインナップで(最近、露骨に反撃されているようにも思えますが)、廉価なズーム他も期待できない、どうも特徴がないように思えます。頑張ってほしいのですが、個人的にはさみしい限りです。