――6月にオリンパスがカメラ市場から撤退すると発表し、医療事業に注力する方針です。今後、業界再編が進むとみられますが、キヤノンはどういう姿勢で臨みますか。
業界再編についてはなんとも言えない。ただ、各社も生き残りで必死になっている面があり、何が起きてもおかしくない。
また、(キヤノンとしてカメラ事業からの撤退は)考えたことはない。カメラで培った光学技術は、複写機や産業機械、医療機器などで展開しているキヤノンの得意技術分野として重要であり続ける。カメラ事業が縮小しても、開発するために使われているリソースの活用先は十分にある。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/3f9223d02f509d5dc421303c8ba077c9528c60c0
コロナの影響が需要の喚起になる可能性を指摘
東洋経済ONLINEがキヤノンとのインタビュー記事を掲載しています。全文はかなり長いので、記事元リンクよりご覧ください。
記事では、キヤノンは実はコロナの影響でどん底になったカメラ市場に希望を抱いているとしています。今回のカメラ販売の落ち込みは、本来の落ち込み以上に落ち込んでいるとしていて、コロナの問題が落ち着いていけば、時間がかかるかもしれないが需要も回復していくだろうとしています。
そして、これまでは様々なイベント、旅行などでカメラが利用されてきたが、新型コロナをきっかけにWebカメラ用途など室内でカメラを使用したいという需要が高まってきているとして、そこに商機があるのではないか?とみているようです。
事業再編についてどう考えているか
オリンパスがカメラ事業から撤退したことが報じられていますが、そのことについて質問されると、業界再編についてはなんとも言えないと述べています。そして、何が起きてもおかしくないとしていますね。
ソニー、キヤノンあたりは安泰かもしれませんが、リコー(ペンタックス)、ニコン、パナソニックなどのカメラメーカはどのようなことが起きても不思議ではない状況なのかもしれません。
これと同様なことは家電メーカでも過去に起きています。かつては白物家電のメーカが様々ありました。例えばサンヨーはパナソニックに吸収されるようになったり、東芝、シャープなどは外資系になってしまいました。カメラもミノルタがソニーに吸収される形になったり、カシオなどがコンデジから撤退したり、オリンパスが国内ファンドに譲渡されたり、家電メーカと同じような道筋を辿っています。カメラメーカも同じような状況になりそうで心配されるところですね。
ところでキヤノンはカメラ事業で得られた光学技術は、他の事業に応用できるので、カメラ事業から撤退を考えたことはないとしています。確かに、他の事業で利用される技術を、カメラ事業で開発することができれば、も少しでも研究開発費の足しになるのであれば、本来必要だった研究開発費を圧縮することができるので意味があるのかもしれません。
ですが、この理屈はオリンパスが過去に、なぜカメラ事業を売却しないのかといった説明とまったく同じ説明です。ということは、オリンパスが前言を翻してカメラ事業を譲渡したのと同じように、キヤノンも同様のことがあり得ることを示唆するものですので心配になってしまいますね。
もっともキヤノンほどの企業があれば、カメラ事業で赤字になる可能性は低いと思いますので、安心してもいいのかなと思います。ですが新型コロナのような不確定な要素があると何が起こるのか想像もつきませんので、心配になりますね。
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コメント
コメント一覧 (2件)
需要と供給見込み違い起きればどんな企業でも赤字の可能性あります
コロナ自粛で暇すぎてミラーレスを買ったので、自分みたいな人も一部いるはず。
ただ少数派だとは思います。