キヤノンは7月28日、2020年12月期第2四半期(4~6月)の純利益がマイナス88億円の赤字に転落したと発表した。新型コロナウイルス感染症の影響で、主力のオフィス事業やイメージングシステム事業が打撃を受けた。
前年同期に営業利益400億円だったオフィス事業は営業損失9億円の赤字に。4月の緊急事態宣言で企業のオフィスの多くが閉鎖され、オフィス向けプリンタの設置や印刷需要が落ち込んだ。
イメージングシステム事業は黒字を確保したが、営業利益は8億円と前年に比べ大幅減(前年同期は127億円)。カメラの売上が前年の約半分にとどまったが、家庭向けインクジェットプリンタが在宅勤務や在宅学習の増加で需要を伸ばした。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2007/28/news140.html
3ヶ月間決算で初の赤字
ITMediaがキヤノンの決算について報告しています。
記事によれば、2020年4月からの3ヶ月間の決算で、最終損失が約88億円となり、キヤノンで初めて3ヶ月間の決算で赤字になったとしています。
赤字の理由は新型コロナの影響でカメラが売れなくなったこと、テレワークの推進でオフィス用の複合機が売れなくなったこと、そして半導体露光装置などの設置ができなかったことなどが原因だそうです。こうみると、どれもすべて間接的に新型コロナによる影響と言えますね。
ただし一つだけ伸びている製品があるようです。それが家庭用のプリンターだということです。テレワークで自宅で勤務したりする場合に、家庭にプリンタがないと困るといった事情があるようです。
テレワークできているので、プリンタなんて必要なくてPCやタブレットの画面で表示させればいいじゃんと思うのですが、紙に印刷するという需要は一定数あるのでしょうね。例えば、テレワークではないですが、学校から出された宿題やプリントを行うといった場合には、特に数学などでは手書きのほうが書きやすかったりするので、印刷したほうが便利なのでしょうね。
自分も資格試験の勉強などて過去問題を解いたりするのですが、問題と設問をいったりきたりするときにはPDFでは面倒で時間がかかり、時間内に解答することができず、結局、問題を印刷して演習をしました。
テレワーク一般化でオフィス向けプリンタ事業にも影響が?
海外ではテレワークとペーハーレス化が進んで、今後10年で30%以上もOA複合機市場が縮小するかもしれないと考えているようです。実際に最近は紙ではなくメールで文章を送付したり、ビジネスチャットツールでシェアしてしまえば済むようになってきており、印刷物の利用は激減している印象です。
そうなるとキヤノンの主要事業の一つであるビジネスプリンターや複合機、スキャナーなどの事業について、あまり利益を得られない状況になってしまうことも考えられます。そうなると、これまでキヤノンは花形の事業がいくつもあって安泰と考える人も多かったですが、今後については心配な状況になってしまうかもしれません。
実際に今回、新型コロナの影響で、カメラ、オフィス用プリンターや複合機などの販売不調で赤字になってしまっており、実際に起こりえる可能性が証明されてしまいました。
今回の新型コロナウィルスは他のカメラメーカにも大きく影響を与えているはずですので、本当に今後のカメラ業界が心配になります。
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コメント
コメント一覧 (2件)
報告書など文章の体裁を整えるのに印刷した方が見やすい場合がありますね。
また正式な社外提出文書では日本では所属長の印鑑が必要な場面が多いので
文章の体裁確認などでプリンタが使われるのかも知れません。
プリントはIT後進国、日本ならでは
印鑑文化とともにプリンタも消滅するでしょう。
カートリッジビジネスは間違いなく終焉を迎えます