いつかスマホカメラはミラーレスカメラを超えるのか
スマホカメラはAIによってレンズ交換式カメラを超えるかもしれないという記事がありました。興味深いので紹介したいと思います。
それでは記事をみてみましょう。
- AIはいつかスマホカメラを、カメラ以上のにものにすることに役立つと述べた
- 写真におけるAIの活用は4つの段階がある
- 段階1)AIによる画像内の被写体の識別といったシーン認識
- 段階2)AIによるAF、ホワイトバランス、露出の自動化
- 段階3)AIが目、瞳、顔、水平線など画像内のすべての被写体を認識して露出、歪みなどを調整
- 段階4)AIによる画像全体の処理。「この画像のように」と指示するとすべてを調整してくれる
- スマホのレンズやセンサーは小さいがスマホの処理能力がそれを補う
- ソニーのXperiaは光学ズームを搭載したおり、より幅広い用途で活躍するかもしれない
上記は記事の一部を要約して引用したものになります。原文は長文なので記事元リンクからご覧ください。
記事によれば、クアルコムの副社長がAIはスマホカメラが、今のカメラシステム(ミラーレスや一眼レフなどのカメラ、以降、ミラーレスカメラと記述)を超えることに役立つと発言したそうです。
このクアルコムは、Androidスマホなどで採用されているSnapdragonなどのスマホ用のCPUや、携帯電話用のチップ、無線LANルーターなどのチップを製造しているメーカです。その副社長が、いつかAIによってスマホカメラはミラーレスカメラを超えるかもしれないというのですから、実際にそのようなことが実現する可能性があるかもしれないとおもいますよね。
この副社長によれば、写真撮影におけるAIの活用には4段階あるとして、いま現在は第3段階まで来ているようです。それぞれの段階をみてみます。
まず、段階1は初期のコンデジなどにもあったシーン認識だとしています。それがポートレートなのか、風景の撮影なのか、夜間での撮影なのかなど、現在の撮影している状況を判断して、それに最適な補正をするというのが第1段階。
第2段階はAFやホワイトバランス、露出補正などのAIによる自動化で、第3段階としては、画像内の被写体を認識して目にピントを合わせる、顔と認識したら顔色をよくするように補正する、水平線をみて歪んでいれば、不自然でないように画像の歪みを修正するといったことをすることだそうです。
そして、最終的には、例えばの話ですが、「このような画像になるようにして」とか「写真家の○○さんのような写真にして」みたいにするとAIが自動的に画像を補正していくれるようになるかもしれないとしています。
物理の差をAIが埋めることができるのか
スマホのような小さなセンサーで画素数を多くすると、1画素あたりの面積が小さくなるため、どうしても回折などの影響がでて画質が劣化してしまいます。また、大きなセンサーサイズでないと実現できないボケについても小さなセンサーでは無理がでてきてしまいます。
このあたりの物理的な問題を、将来的にAIは克服することができてしまうのでしょうか?
いまスマホで風で髪の毛がなびいている人を撮影して、背景をボケさせようとすると、髪の毛の間から透けてみえる背景をうまくボケさせるようなことは、とてもではないけれども無理ではないのかなと思っています。実際に撮影すると髪の毛が背景に溶けてしまうようなことが多いです。
しかし、フルサイズミラーレスなど大きなセンサーサイズのカメラで撮影すると、髪の毛はしっかり撮影されながらも、髪の毛の向こう側に透けてみえる背景はしっかりボケています。これをAIが実際に判断してボケを完全に制御するのは個人的には難しいのではないかと思いますね。
AIによって実際にスマホがミラーレスカメラを超えるかどうかは未知数ですが、撮影する人がこんな写真を撮影したいという要望に応えることは可能になるだろうと思います。ただ、それが写真と呼べるものなのは意見がわかれるところかもしれません。
ミラーレスカメラもミラーレスカメラで、今は収差をデジタル的に補正する前提で設計されているレンズが多くあり、そのデジタル補正とAIによる補正の何が違うのかといえば明確に差を述べることは難しいと思います。
今後、AIによってスマホカメラはカメラを超えてしまうのでしょうか?
この記事の関連投稿
Twitterいいねとリツイートのお願い
記事をよんで面白いと思ったら、Twitterでのいいねボタン、リツイートをしていただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
コメント
コメント一覧 (6件)
超える部分もある…というくらいでしょうか。
AIによるデジタル補正で細部を補正て、ボケを作ったとしても、それは現実ではありませんから。
その程度で良い人は、そういうAI補正を使えば良いだけですから。
Instagram程度のサイズで見るのなら良いのでは。
完全に超えていると思いますし、これからますます離されていくでしょう。
ほとんどの人はスマホでしか写真を見ませんし、PCで加工なんてしません。
ましてや、プリントする人なんてかなり珍しい人でしょう。
最近出たiOS 16の切り抜き機能の簡単さなんて驚きです。
人を人と認識し、犬を犬と高精度に認識するAIはこれからますます精度が上がっていくでしょう。
コンピューターが作り出す映像に皆、夢中なのです・・・
超えるというか、別の世界でしょうね。物理的に不利な部分をAIで作り上げた『デジタル画像』なんで、『写真』とは違うと思いますね。
今のハリウッド映画のような、CGのような非現実的な『デジタル画像』だらけになりそう。
「何を」「どう」超えたのか、という点で議論が分かれるでしょうね。
手軽さ、汎用性、普及率あたりならもうとっくに凌駕していて、ひっくり返ることもほぼないでしょう。
解像感や収差補正は、物理的には(現状)当然レンズ交換式の方が上ですが、スマホもAIなどの補正で相当なものを作れますし。一眼もデジタル補正を積極的にかけてる(個人的には歓迎派)ので、「写真か画像か」みたいな意味合いでも実のところ五十歩百歩でしょう。
「画質」を光学的な良さで見るのか、最終的な出力の映えで見るのか、他の観点か……画一的な正解はないので、単純に超えた/超えないと言うべきではないと思います。
まぁ、そうやって単純化した方がセンセーショナルで目を引くんですがね。私もまんまと乗せられてますし(これは管理人さんではなく元記事に対しての発言です)
現在、photoshop や lightroom を使って手動でやってることを、 AI があいまいな要求からでも適正解を容易に導き出してくれるようになるってことじゃないですかね。スマートフォンのカメラ機能の進歩って、カメラというよりは photoshop の後追いのような気もします。
今我々が見ている写真だって、「撮って出し」なんてほぼありませんよね。
歪んでいるやもしれないですが、もっと面白い話の方が好みです。眼鏡にカメラが組み込まれていて、映像も空中像?で見えていて(必要ない?)、自動でスマートフォンに写真保存されているとか。。。。すでに進んでいるかもしれないですが。