ニコン “ミラーレスで出遅れたがZ 9で他社より半歩リードした”

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IRイベントの質疑応答内容が明らかに

5月26日に開催されたIRに関する投資家への説明会で、質疑応答の内容が明らかになりました。その中身が非常に興味深いものでしたので、紹介したいと思います。

一眼レフはどうなるのか?

まずは、ミラーレスカメラについてです。ミラーレスカメラの比率が今後、どのような見通しになるのかという質問がありました。その返答は以下のようなものになっています。

Q︓ レンズ交換式デジタルカメラの 2025 年度 70 万台の見通しのうち、ミラーレスの比率はどのぐらいか。2021年度のミラーレス比率もあわせて教えてほしい。
A︓ 2025 年度の売上は 9 割程度になると見込んでいます。2021 年度は 6 割程度でしたが、今期は 8 割程度を計画しており、着実に伸ばしていきます。

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これをみるとわかりますが、2025年にはミラーレスカメラの売上比率が90%になるとしており、一眼レフの売上比率は10%程度になるという計画をしていることがわかります。このことから、ニコンの主力はほぼミラーレスカメラになり、一眼レフに関しては注力しないだろうことが予想されます。

ニコンは技術的に他社より半歩進んだ

これまでニコンは、ソニー、キヤノンなどと比較してミラーレスカメラで出遅れていたのではないか?と言われていましたが、今回の資料では、これを認めた上で、Nikon Z 9の発売で他社をリードすることができたと自負しています。

Q︓ 注力する中高級機市場において、今後は若年層を含む幅広い層からの支持を獲得していくとなると、競合との競争激化も想定されるが、貴社の優位性はどこにあるのか︖

A︓ 一つは商品力です。当社はミラーレスで出遅れたと言われていましたが、エンジン・センサー・AF 等のシステムをゼロベースで開発することで競合より半歩先に出ることができました。また顧客視点で商品開発を進める習慣が根づき Z 9 の成功に結びつけることができました。このような企業文化や技術力は当社の強みです。また、マーケティング活動もこの 2 年ほどリアルとデジタルのタッチポイントを拡充し認知度を上げ、購買後にも顧客満足度を上げる活動に取り組んでおり、確実にニコンファンを増やすことに繋がっています。新規ユーザーの取り込みについては、特に若年層に注力しており、マーケティングアプローチも SNS やキーオピニオンリーダーの発信等を活用し、非常にポジティブな成果が表れてきています。例えば Z 9 の中国のローンチイベントでは1 都市で約 500 名に参加いただきましたが、その 8 割が 30 代以下かつ動画目的のユーザーでした。既存ユーザーだけでなく新しいユーザーを獲得するマーケティング活動をさらに進め、ユーザー数を伸ばしていきます。

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さらに、これまで年齢層が高いと言われていたニコンユーザに、若い人を取り込むことを目的として、いわゆる若いインフルエンサーの発信力を利用するなどして、若い人にアプローチしている様子が窺えます。

今後は中高級機の新製品を投入

さらに、ニコンは、今後、中高級機に注力することを明らかにしました。レンズ交換式カメラの90%が中高級機になるだろうとしています。これにより、ニコンから廉価機、エントリークラスが発売される可能性はかなり少なくなったのかなと思います。

Q︓ プロ・趣味層向け市場における台数シェアは、2025 年度には、2021 年度から 5 ポイントほどシェアを上げ、23%程度となる計画のように思われる。他社もプロ・趣味層向けに注力している中、目標達成の蓋然性は︖

A︓ 元々一眼レフでしっかりシェアが取れていた事実もあり、シェア向上は十分に狙えると考えています。前期に投入した Z 9や Z fc の好調に加え、今後新たに中高級機ゾーンの機種を投入し、今期レンズ交換式カメラの 9 割が中高級機に置き換わる前提で計画しています。また、レンズのラインアップは、現状 30 本のところを、2025 年に向けて 50 本以上まで拡充していきます。プロ・趣味層においても様々な撮影シーンやワークフローへのニーズがある中、しっかりと要望に応えられるレンズを提供し、レンズとボディの相乗効果でシェアを獲得できると考えています。

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しかし、台数シェアをとれる理由として、過去に一眼レフでシェアがとれていたという事実を挙げていますが、それは本当に理由になるのでしょうか?

脱一眼レフ、脱エントリー機の方針が明確に

これらの内容から、ニコンは一眼レフから脱却し、ミラーレスへ注力していく方針であることが、より一層明確になったことが明らかになりました。さらに、エントリークラスなどの機種よりも中高級機へシフトすることを明確化したことで、低価格な商品を販売しないことも明らかになりました。

どこまでを廉価機というのかは難しいところですが、資料にNikon Z 50や、Nikon Z fcに関する記述があることから、少なくともNikon Z 50や、Nikon Z fcクラスの製品は販売されることになるだろうと思います。

今回の資料で驚いたのは、ニコンは、Nikon Z 9の開発と発売によって、これまで他社より遅れていると思われていた各種技術を挽回できたと考えているところです。確かに、実際にそのとおりかもしれませんが、実際にそのように発言するところにニコンの強気というか、意識というものがうかがえるようにも思えます。

もちろん、これは株主との質疑応答の内容ですので、どうしても株主を納得させるために強気の発言をせざるを得ないという状況があるのだろうと思います。なので強くな発言になるのは仕方が無いのかもしれません。

とにかく、これらの資料によりニコンがよりミラーレスへシフトし、低価格なカメラへの関与を弱めることを示唆していることがより一層明らかになったわけですが、この戦略は成功するのでしょうか?今後の動向が気になりますね。

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