ソニー 湾曲センサーを安価に作る方法の特許
レンズ口径を大きくした場合に発生する光学特性を解消するために、固体撮像素子を、レンズの結像する像面に合わせて湾曲させる手法が開発、提案されている。固体撮像素子をレンズの結像する像面に合わせて湾曲させることで、上述した、レンズ口径を大きくした場合に発生する光学特性の劣化を抑制し良好な画像を得ることが可能となる。このように、固体撮像素子をレンズの結像する像面に合わせて湾曲させるため、レンズの曲率に応じた湾曲部を台座基板に設け、固体撮像素子を吸引により台座基板の湾曲部に応じて湾曲させる技術が提案されている(例えば特許文献1および特許文献2)。
しかしながら、この吸引により固体撮像素子を湾曲させるためには、固体撮像素子が割れないように長時間をかけて吸引を行うことが必要となる。したがって、生産性の点で不
利となる。これは、高コスト化の要因となるおそれがある。本開示は、光学特性がより優れた撮像装置および撮像装置の製造方法をより低コストで提供することを目的とする。
レンズ交換用にも利用できるのか?
レンズの収差や周辺減光を無くす仕組みとしては、レンズ設計を工夫してなんとかする方法もありますが、センサーそのものを湾曲させることで対応していけばいいではないのか?という考え方もあります。しかし湾曲したセンサーをすべて同じ精度で安価に作ることが難しいということで、なかなか一般的になってはいないようです。
上記の特許の画像では、30という数字で示されている部品はレンズなのだそうです。このようにみると、あくまで特許の実施例の画像ではありますが、固定レンズ式のように見えますね。しかも、組み込み型でスマホなどに使われるようなレンズとイメージセンサーのように見えます。
レンズ交換式でも、すべての焦点距離のレンズで最も理想的な湾曲をもったセンサーを開発し、それに対応したレンズを開発すれば、光学性能的に優れた製品は作れるのだろうと思います。しかし、すでに各社は平面センサーを採用し、それに対応したレンズを発売してしまっているので、いまから湾曲したイメージセンサーを採用したミラーレスカメラを発売するようなことは不可能と思われますね。
そのため、恐らくですが、主にスマホや、その他組み込み機器に採用されるレンズなど、レンズ一体型のイメージセンサーとして発売されていくのだろうと思います。
でも、これがスマホなどに採用されれば、スマホカメラの画質もさらに進化することになると思いますね。イメージセンサーを開発しているスマホメーカは、今のところソニー、サムソンぐらいだと思いますが、ソニーはサムソンとスマホに採用されるイメージセンサーを開発する上で、サムソンにはない機能を実装しようとしているのかもしれません。
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コメント
コメント一覧 (1件)
フジペットなど昔の普及型カメラのフィルムガイドレールが湾曲していたのを
思い出します。
シリコンのような脆い材料をコンケーブにするのは難しそうですね。
カンチレバーを湾曲させる程度は半導体歪みセンサーが実用化されているので
出来るでしょうが平面を凹型にするのは割れそうな気がします。
非球面レンズで対応した方が簡単に解決するような気がします。