キヤノンのセンサーの発熱を抑える特許
【課題】画像処理に伴って発生する熱に起因する画質低下を抑えながら、画像処理能力の低下を抑えること。
【解決手段】選択部は、想定画像データを取得し、イメージセンサの光電変換センサ部の分割センサ領域に対応する分割画像領域それぞれでの空間周波数スペクトルの低周波帯に含まれるエネルギーの総計値を算出する。選択部は、分割画像領域ごとのエネルギーの総計値を比較し、低周波帯に含まれるエネルギーの総計値が高い分割画像領域から順に高い優先順位を割り当てる。選択部は、分割画像領域に対応する分割センサ領域に優先順位を割り当てる。制御部は、優先順位と、必要とする演算能力とに応じて画像処理部を制御する。
キヤノンがイメージセンサーの発熱を抑える特許を出願しています。
特許によれば、まずは基準となる画像を読み込んで、そこから低周波のスペクトルを計算し、エネルギーが高いと思われる部分から優先的に画像データを取得するという特許になっているようです。
たぶん多く光りを受光しているセンサーからの読み出しが発熱するのでしょうね。優先的にその部分から画像データを得ることで、次の撮影までの間の冷却時間を長くすることができるという特許なのだと思います。
ミラーレスでは連写性能も向上して、センサーを休ませる時間も少なくなっていますが、こんなほんのちょっとの違いでも放熱の効率がかなり違ってくるのでしょうね。
カメラが発熱する部位はいろいろあって、例えば、センサー、イメージプロセッサ、メモリカード、バッテリーなどが主な発熱源になります。小型化で放熱が難しくなっているにも関わらず、画素数が増え、データの転送量も増え、イメージプロセッサの計算量も激増していて、これからは発熱のコントロールも非常に重要になってくるのだと思いますね。
そしてたぶんプロセスルールを微細化することで発熱と消費電力の問題を解決したいのだと思いますが、いまは半導体不足ですし、最先端の微細化技術を採用した半導体は台湾のTSMCしか製造できないということで、しばらくはこの状況が続きそうです。
[template id=”4241″]
コメント
コメント一覧 (2件)
積層型センサーの発熱を抑える特許ですね。
R3のセンサーがソニー製ならこんな特許を出す必要はないわけですが。
公開特許公報をダウンロードし読んでみるとこのセンサーは4分割か4個一組の
構成で色彩等を判断し負荷の大きい所から順番に処理し次の撮影までの待機時間を
長くし放熱を促そうとする特許のようですね。
その演算のための回路が文献によると積層部に組み込んであるようです。
また文献の内容から動画での発熱を問題にしているようで熱ノイズでの S/N 比の低下を
改善するつもりのようです。