いま世界の半導体の状況はどうなっているのか?
いま世界の半導体不足がかなり大きな問題となっています。半導体が不足している理由としては、PS5やXBOXの新製品が発売されたり、通信の5G関連の引き合いが旺盛なこと、コロナ渦でテレワークが普及したため各家庭で利用する様々なIT関連機器などが必要になったりしていることが理由だとされています。
日本でも半導体不足の問題に加え、半導体の製造工場が様々な被害にあっています。
延岡の旭化成マイクロシステムの火災で工場が損傷を受けましたが、こちらはやっと16日から撤去作業が開始されたようです。火事は昨年の10月ですので、半年でやっと解体作業が始まったことになります。ですが、これで一歩を踏み出せたのかというと実際にはそうではなく、がれきなどが飛散する可能性があるので5階部分だけを撤去するのだそうで、建物全体を撤去する前提ではないとしています。つまり既存の建物を利用して再建する可能性があるということを言っているようですが、5階部分の撤去を取り除くのに来年の3月までかかるようですので、あと1年、最低でも何もできないことになります。ちょっと復旧速度が遅くないですかね?
だったら同時に他の場所に工場を新規に設立したほうが、同時進行できるので早く復旧できるでしょうし、同じ場所に立て直すにしても5階部分を撤去して、それ以外の部分は流用するかもしれないなどということが本当に可能なのか疑問に感じるところですよね。
実はもうすでに工場をすべて壊すことは決定していて、経理的に減損処理をしたくないので、価値がある建物として残して起きたいという事情があるのではないのかな?などとうがってみてしまいます。
-火災の旭化成マイクロシステム 5階部分撤去へ 宮崎県
そして、最近ではルネサスエレクトロニクスの工場でも火災が発生しています。火事があったルネサスエレクトロニクスでは、4月17日に工場の生産ラインが再開したそうです。火災から1ヶ月で再開というのはもの凄いことで、実は様々なメーカから応援があり実現したといわれています。ただし、火事以前の出荷水準に戻るまでには、さらに70日ほどかかるとされていて、まだ供給量が十分に回復しているとは言えない状況のようです。
-半導体のルネサス、生産再開 茨城の工場火災から1カ月
さらに世界に目を向けてみます。
いま世界の最大の半導体製造メーカの一つである台湾のTSMCですが、こちらもかなり様々な問題に悩まされています。
まずTSMCのある台湾では水不足になっていて、半導体の製造に問題が発生する可能性が指摘されています。
-台湾の水不足深刻化、非常警報も発令-TSMCはタンクローリー活用
そして先日、TSMCの工場で停電が発生し、様々な機器のキャリブレーションに時間が必要になり、一時的に半導体の製造に問題が発生する可能性もあるようです。
-TSMC Fab14で停電発生、半導体不足に拍車がかかる可能性 台湾メディア報道
このようにみると、なんだかんだで日本と関係があったり、影響力の大きい製造会社が何かしらの問題をかかえているところが多く、本当に心配になってしまいますよね。
そんななかでも各社ともなるべく早い復旧を目指しているようですので、そこに期待せざるをえない状況になっています。
供給が安定するのは2年後になる可能性?
TSMCによれば、2023年に十分に対応できるだけのキャパを提供することができればとしています。
-落ち着くのは2023年? インテル・Nvidia・TSMC「半導体不足はまだまだ続く…」
ということはあと2年弱ほどは、半導体が不足する状況が続くと考えられ、非常に心配になってしまいます。
この半導体不足は、いまは日本では主に自動車メーカに大きな影響がでて、製造を一時中止するような状況になっていますが、旭化成マイクロシステムの火災により音響機器メーカにも影響がでています。そして、カメラメーカにも影響が及ぶ可能性があるので非常に心配ではありますね。
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