全国の家電量販店やECショップでPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、11月のミラーレス一眼デジタルカメラの販売台数前年同月比は84.5%だった。Go Toトラベルなどの効果もあり、前月は128.9%と前年を大きく上回ったが、再び前年を割れた。新型コロナ第3波の影響が、販売動向に如実に反映される結果となった。
メーカー別のシェアでは、トップのソニーがさらにシェアを伸ばした。3割超えは、直近1年で初となる。2位争いは、キヤノンとオリンパス。11月は、キヤノンが伸びて20%台に戻した。シェアで上位3社から離れているが販売台数前年比で前年を上回っているのが、4位の富士フイルム。安定した人気ぶりがうかがえる。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/08213f588fa4b09496fdd7e2c81824fc5c075a88
カメラ市場一時的復活もコロナ第三波で再び危機に
BCNがコロナ渦におけるミラーレス市場の動向について報告しています。
記事によれば、BCNのランキングによれば、10月のミラーレスカメラの販売は前年の128.9%と大幅に上回ったようですが、11月のミラーレス販売は再び前年割れとなり、コロナの第三波の影響がカメラ市場に大きく反映されたとしています。
確かに日本の感染者数は10月末ぐらいまで一定数で推移していましたが、12月に入った頃から急激に感染者数が増え始めました。例えば10月末までは最高でも1日に全国で800人ぐらいの感染者数でしたが、11月末では2000人ぐらいに増加しています。
でも、11月中は、それほど危機感というのは高まっていなかったのではないですかね?GoToなどで観光地は盛況なようでしたし、飲食店や繁華街にもまだまだ人出があった報道が多かったようですし、自分の住んでいる地域でもそんな感じでした。12月になり感染者数が爆発的に増え出して、そのあたりから危機感がでてきたような印象を持っています。
なので、新型コロナの影響が11月の販売に影響を与えたというのは限定的なのではないのかな?とも思うのですが、このあたりをどう判断するかは難しいところですね。たぶん12月はかなり落ち込むことになると思います。
シェアグラフにすら掲載されなくなったニコン
(引用)https://www.bcnretail.com/market/detail/20201216_204361.html
記事では、ミラーレスの販売台数シェアのグラフが掲載されています。1位はソニーで焼く30%、2位はキヤノンで約25%、3位はオリンパスで約18%、富士フィルムはシェア4位で約10%ということなのですが、なんとニコンはシェアのグラフにすら掲載されなくなってしまいました。
あれだけキヤノンとニコンという2強といわれていた状況だったのに、ミラーレスの販売でこのような状況になってしまったのは本当に残念ですね。
さらに、2020年11月の販売シェアランキングでは、ソニー製品が圧勝でα6400、α7C、α6100、α7 IIIの順番で売れていて、それぞれ2位、4位、5位、7位になっています。この販売シェアを合計すると、これだけで約24%ということで、ソニーの販売シェアのうち、この4台でソニーが販売しているカメラのほとんどを占めることになっています。
それに対してニコンは、最も売れている製品が9位にランクインしているNikon Z 50でシェアは2.8%です。ということは、Nikon Z 5もZ 6もZ 7もシェアは2.8%以下ということになります。Nikon Z 6IIは11月6日の発売ですのでランキングの上位にも入っていてもおかしくないのですが、残念ながらランク外ということになっていますね。
ただ、このランキングは安い製品が上位に入っていて、高価格なカメラはランクインすることは珍しいです。キヤノンの人気製品でもあるEOS R5とEOS R6も10位以内には入っておらず、高価格の商品がBCNランキングで上位にランクインするのはやはり難しいのだなと思いますね。α7Cとα7 IIIがランクインしていますが、これはさすがソニー製品が売れているからということがわかります。そのような意味ではニコン製品が現時点で上位にランクインするのはかなり苦しいところということなのだと思います。
もちろん、これはミラーレスのランキングで一眼レフの販売シェアは別にありますので、ニコンがカメラ全体のシェアで10%を割ることはないと思いますが、それでもミラーレスランキングでこのような状況になるのは寂しい状況です。
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コメント
コメント一覧 (5件)
Z6Ⅱが発売月にもかかわらずZ50よりも売れてないことが明らかになりました。
在庫切れの店があるから売れてるはず、という理屈が早くも崩れさった格好です。
カメラの需要はたとえ回復しても多くは望めませんね。
そこで各社シェアの取り合いになる分けですが、
ワールドワイドではどのような結果なのか見なければ
分かりませんね。
この結果で一喜一憂する必要もないかと思います。
需要の多くは輸出ですから。
以前の色違い等を分けたりしていたものと違って、これを見ると少し感想が違ってきますね。フジが頑張っているのがわかるのに比べて、パナソニックが出てこないのがどうなのだろうと心配になってきます。残り3社(ニコン、パナソニック、シグマ)で17%ほどなのでしょうが、パナソニックは販売機種も多いと思うのですが、どうなのでしょう。。。
キャノンがEOS Kiss Mの一本足になっていないのか(特に現行APS-Cにおいて)が気になります。APS-Cで3200万画素も出しているし、ファインダーなしも出していますが、XA-7等に届いていない(11月のたまたまなのかもしれせんし、世界でのデータも必要でしょうが)。これを見るとキャノンがRマウントに絞る可能性が少し大きくなってきた感もあります。。。NikonのAPS-Cもどういう機種を出すのか難しいような。。。(レンズは増やすそうですが)。ファインダーなしは出せないような、でもKissやαに対抗するにはどうするか、EOS R7(3200万画素?)対抗も出す?等、私には結構難しいことばかりのような気もします。
一眼レフも含めたトップ50を見てみると、Z6 Ⅱは29位、Z 7Ⅱが21位、α7Cキットシルバーが19位、EOS R6レンズキットが16位、X-S10が28位なので、Zが全然売れていない訳ではないです。
https://www.bcnretail.com/research/ranking/list/contents_type=41
ビックもヨドバシもZ 6Ⅱはほぼ売り切れなので、旭化成以外で部品供給に問題があるのか、タイの生産現場に日本人技術者が行くことができず生産量が増えない可能性もあります。
さっき、スーパー内のヤマダ電機を見てみましたが、置いてあるのはD5600/7500、KissX/M、α6400/6100などでした。
ニコンはZ 50やZ 5を量販店に置いてもらう気がないのかもしれません。
Z 50の下位機種もなかなか出てきませんし、低価格品は止めるということなのでしょう。
ヨーロッパのプロ・フォトグラファーの間では、ここ数年でNikonのDSLRの使用率が急激に落ちている(=Canonの使用率が上がっている)ということで、Nikonの失速は日本に限った話ではないんですよね。
そもそも、国内のみの販売不振で赤字額が極端に増加した訳ではありませんしね。
僕は以前から書いていますが、Nikonの経営規模を考えると、FマウントとZマウントの二兎を追えるほどの体力がないのは明らかです。
SONYの大躍進を見れば、主流がDSLRからミラーレスへ代わることは明白なのは、誰の目にも明らかでした。
にも関わらず、NikonはFマウントへの無意味な拘りを捨てられず、自らチャンスを潰してしまった。
以前から書いていますが、Zマウントをリリースする時点でFマウントは打ち止めにし、旧来のユーザーを篩に掛けつつ新規ユーザーの獲得に全力を注いでいれば、ここまで衰退することはなかった筈です。
先日Z6Ⅱにレンズキットが追加されましたが、販売のテコ入れの為の付け焼き刃的な策という感が強く、Nikonの焦りが見て取れます。
現状のNikonでは他社との協業も非常に困難(協業相手にとってデメリットしかない)ですし、さりとて独立独歩で行くにも、道は絶望的に険しい(今更『高級路線』に突っ走っても、受け入れられるとは思えません)。
あの世界に名だたるトヨタでさえ、経営陣は倒産への危機感を持っているそうです。
経営基盤がはるかに脆弱なNikonが本気で生き残りを考えているなら、過去を全て捨て去るくらいのドラスティックな方策を打ち出すしかない筈なんですが、全く危機感が伝わってこないのが、元ユーザーとしては非常に気になります。