需要が戻るまでの時間が他の製品と比べて遅い
販売への影響に対する各社の不安は大きい。国内では多くの家電量販店が時短営業や臨時休業しており、個人消費も落ち込んでいる。営業活動も「ウェブ会議システムやメールなどを活用して極力オンライン化」(オリンパス)するなど工夫を迫られている。
カメラ映像機器工業会(CIPA)の統計によると、3月のデジカメ出荷台数は前年同月比で約52・2%減だった。例年であれば春以降は行楽や運動会が盛んになるが、外出自粛要請やイベントの中止でカメラを使う機会が減っている。キヤノンの田中稔三副社長は「嗜好(しこう)品の側面が強いカメラは、新型コロナ感染症の収束後も需要が戻るまでの時間が他の製品と比べて遅い」と見通す。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200517-00010002-newswitch-bus_all
需要回復の遅いカメラ業界
ニュースイッチがデジカメ業界に関する記事を公開しています。
記事では、新型コロナウィルスの影響を受けたカメラメーカの状況や、現在の状況、今後の動向などについても記述されています。
記事によれば、各カメラメーカの製品供給状況は以下の通りになっているようです。
・ソニー 中国工場の再稼働で春節前に近い水準まで回復
・富士フイルム 中国工場の再稼働で春節前に近い水準まで回復
・ニコン ラオスの部品工場が4月21日の再開もタイの入国制限で従業員の派遣ができず
・キヤノン 国内工場再稼働後も影響が残り、製品量を調整し対応
タイへの入国制限については、タイの大使館のホームページを確認してみましたが、以下のような記述がありました。
緊急! タイ民間航空局(CAAT)は空路によるタイ入国禁止措置を6月30日23時59分まで延長します。
17/05/2020!!緊急!!
タイ民間航空局告知
件名:タイ国着陸航空機の飛行一時禁止措置(第5号)タイ民間航空局は、新型コロナウイルス感染拡大防止及び早期解決に向け、2020年5月31日までタイ国着陸航空機の飛行一時禁止措置(第4号)の告示を2020年4月27日付けで発令した。
上記の措置を継続的かつ有効に実行可能とするため、仏歴2497年航空法第27条及び第28条に基づき、ここにタイ民間航空局局長より下記の告示を追加発令する。
1.タイ国への国際旅客便の飛行一時禁止期間を2020年6月1日00時01分から2020年6月30日23時59分まで延長する。
これを読むと、6月30日まで航空機によるタイへの入国は不可能になっているようですよね。そうするとニコンの技術者もタイへの入国は厳しいのかな?と思います。様々な特例があるようですが、その特例が認められるのかどうかはよくわかりませんでした。
不要不急になってしまうカメラ
記事にもありますが、カメラは嗜好品の側面が強く、新型コロナが収束しても需要が戻るまでは時間がかかるのではないか?としています。このことは本当に問題で、自粛ムードが続く中カメラの売上げは今後もかなり厳しい状況になる可能性が高そうです。
このことは特にカメラ事業が大きな稼ぎを得ていた企業にとっては、かなりの致命的になりそうです。例えばニコンはカメラ事業が赤字になるかもしれませんし、オリンパスはもともと映像事業に関しては利益はないような状況です。今後、さらに悪化していくと映像事業の売却などが現実味をえてきそうです。
ですが、マイナスばかりではなくプラスの側面もあるようです。記事によれば自粛による自宅への巣ごもりや、テレワークの実施で、自宅におけるWebカメラや、自宅で便利に撮影できる製品などの需要がでてきているようで、それにあった製品が発売できると、かなり売れる製品になる可能性があるかもしれません。
室内で撮影するためにフラッシュを購入するですとか、テーブルフォトでマクロ撮影を楽しもうですとか、どうしても広角になりがちなWebカメラで歪みが少ない中望遠レンズを搭載し、さらに照明があってキレイに写るWebカメラなんていう需要もあるかもしれませんね。こういう状況だから需要を見極めて素早く製品を提供していくということが重要なのかもしれません。
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