ユーザーにとって最悪のシナリオ
要約
サードパーティ製レンズの製造、供給、販売に関してタムロンは世界販売で第1位、先月も最大で60%の市場シェアを保有していると主張していた。それならば、ソニーがタムロンの買収提案を検討していることも不思議ではない。ソニーの計画はレンズ専門メーカーを完全子会社化することである。
執筆時点でタムロンはソニーのマウントに対応するレンズを23本ラインアップしている。しかし同社は、キヤノン、富士フイルム、そしてニコンのユーザー向けにも直接対応するレンズを数多く製造している。
もしソニーがタムロンを買収することになれば、ソニーが2006年にコニカ・ミノルタの映像事業の技術を独占的に取得した時と同様の手法を取るのではないかと想像している。
写真業界全体にとっての私の懸念は、タムロンそのものが存在しなくなる可能性があることである。そして今後は、同社のレンズがソニーレンズとして販売され、現在この光学機器専門メーカーが提供している優れた造り、性能、そして手頃な価格という特徴をそのまま備えることになるかもしれない。
もしそのシナリオが現実になれば、ソニーがタムロンのように他社製カメラ向けにレンズを提供し続けるとは思えない。さらに、ニコン向けに複数のNIKKORブランドのOEMレンズを製造している現在の関係にどのような影響を与えるのかについても疑問である。
他社製カメラの所有者を切り捨てることは、独立ブランドとしてのタムロンの価値を低下させるかもしれない。しかし、ソニーに吸収されるのであれば、その議論自体は意味を失うことになる。
もしレンズ交換式カメラ市場が本当に縮小しており、現在の減速が続くのであれば、タムロンはソニーの資金を受け入れて撤退する誘惑に駆られる可能性が十分にあると私は感じる。それが将来的な価格競争、そして場合によっては写真業界全体にとってどれほど好ましくないことであったとしてもである。
しかし前向きな話で締めくくるならば、勝者となるのは、理論上は手頃な価格のレンズ供給がさらに強化され継続される可能性のあるソニーの既存ユーザー層だけではない。シグマ、Laowa、Viltroxなどの競合するサードパーティ製レンズメーカーもまた、市場から競争相手が1社減ることになるため恩恵を受けることになる。
他社にレンズを販売しない可能性も
ソニーがタムロンを完全に吸収して他社への交換レンズの販売を行わない可能性があるのではとDigitalCameraWorldが伝えています。上記は要約したものになりますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
記事では、同じくソニーがコニカ・ミノルタの映像事業を買収した事例を振り返り、タムロンも同様の道を辿るのではないかと主張しています。
そのため、タムロンブランドは完全に消滅し、交換レンズにはソニーのブランドが付けられ、ソニー専用の製品を製造することになるのではないかとしています。この場合、タムロンの価値が下がる可能性があるとしていますが、ソニーが完全にタムロンを吸収合併してしまえば、タムロンブランドそのものがなくなるので、タムロンの価値が下がってもソニーとしては問題ないだろうとも予想しています。
そのため他のデジタルカメラのメーカーやユーザーはレンズを供給してくれるメーカーが無くなってしまうので、選択肢がかなり狭くなってしまいますね。
タムロンがソニーに買収された場合のシナリオは以下が考えられます。
- これまでと変化なし
- ソニー向けのレンズのみ製造する
- ソニーに吸収される
シナリオ1の場合は他社のレンズも販売されることになるため問題ありませんが、ソニーがシナリオ2と3を選択した場合には、特にOEMで交換レンズを提供されているデジカメメーカーにはかなりの影響が及ぶことになりそうです。
一方で、最近はデジカメメーカーは、自社以外のレンズの発売を管理しようとする傾向になっています。キヤノンはAFレンズの販売にはライセンス契約が必要ですし、ニコンも同様ですが事実上Zマウントは野放し状態になっています。そのため、現在ではEマウントしかレンズを自由に発売できない状況になっていて、タムロンが今後の事業に不安を感じている場合には、ソニーの要求に応じて子会社化する可能性も捨てきれないと思いますね。
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コメント
コメント一覧 (4件)
ユーザーを無視した結果となる買収後になるなら反対ですね。高いレンズしか出てこないことにるのなら、ユーザーの選択肢は減り、フルサイズなどの、ミラーレスに手を出すのは難しくなります。重たいレンズばかりになっても困ります。いろいろなメーカーがあって、いろいろな形のレンズが出てくるから自分の目的に合ったレンズを選ぶことができるのです。ミラーレス登場で小型、軽量化の進化が起こしたともいえるブームをSONY自ら消しかねない。
ニコンは現在でもセンサーを一部SONYから調達しているとされており、タムロンがSONYに吸収されてもOEMは続くと思いますが、現在の様にタムロンブランドでEマウントとZマウントが同時発売にブレキーがかかるかもしれません。
一方でタムロンが吸収したブロニカが跡形も無くなってしまっているのを見ると最悪の事態を想定しておくことも大事だと思います。
吸収合併後は、タムロンがどの方向に行くかはSONYの意向か強く影響するのは確かだと思います。
もし実現した場合、資本関係に変化が生じるだけで、
短期的には変化はないと思います。
Eマウント以外のレンズを発売しないとか、発売時期を遅らせても何のメリットもありません。
ZマウントやRFマウントは、ソニーのEマウントカメラには使えないからです。メリットしては、ソニーがレンズメーカーに対して機能の制限をしているのをやめてくれるのであれば、ソニー、タムロン、利用者のメリットになるのではないでしょうか。
長期的にも、タムロンがソニー向けにOEM供給するような形なら、似たような焦点距離、F値のレンズがソニー、タムロンから出ている状況から整理され、利用者の選択肢が減るだけで、誰にとってもメリットはないと考えます。
実際には、タムロンの技術を取り込んで、レンズ等の共同開発などでの連携強化や大判用レンズ、シネマ用レンズ、あるいはソニーが圧倒的シェアを持っているENGカメラ向けレンズへの参入で、キヤノンやフジノンの寡占状態を打破しようとかを考えているのではないでしょうか。
(仮に買収されたとして)タムロンの他メーカーへの供給は続けて欲しい所ですが、他陣営としてはタムロン経由でソニーに情報が伝わるリスクがあるので逆に拒否されそうな気もします