2025年のベストカメラ – Nikon Z5II
2025年には合計27台のカメラが発表され、キヤノンはそのうち4台をリリースした。万能型のEOS R6 Mark IIIから、石けんのような形状で話題を呼んだEOS R50Vの復活まで、さらには奇抜なSIGMA BFの登場もあり、実に興味深い一年だった。キヤノンは電子ビューファインダーにとらわれず、EOS Mシリーズで採用していたような小型フォーマットに再び目を向けられることを示した。
CanonRumorsや筆者が、2025年のベストカメラをEOS R6 Mark IIIに与えて終わりにするのは、ある意味当然のようにも思える。確かにこれは、キヤノンの6シリーズ史上最高のミッドレンジ機だ。しかし、Nikon Z5IIが、EOS R6 Mark IIIよりもはるかに安価でありながら、非常に優れたカメラであることを否定するのは難しい。時として「ベストなカメラ」とは、価格を問わず最高の機能を持つものではなく、価格を含めた全体のバランスが最も優れているカメラなのだ。
この観点から考えると、Nikon Z5IIは2,000ドル未満という価格帯で非常に多くの価値を提供しており、まさに理想的な選択肢だ。
Nikon Z5IIは、上位機種Z6IIIの先進機能をエントリーレベルに持ち込んだモデルだ。2450万画素の裏面照射型CMOSセンサーとEXPEED 7プロセッサを搭載し、Nikon Z5で問題だった大きなクロップを解消した4K 30pのノンクロップ動画撮影に対応。さらに、1.5倍クロップの4K 60pや1080p 120pのスローモーション撮影も可能。動画性能も充実しており、静止画の画質も非常に優れている。ボディ内手ブレ補正を搭載しているため、9600万画素のピクセルシフト高解像度撮影にも対応する。
AFの被写体検出は人物・動物・乗り物など9種類に対応し、ディープラーニングAI技術やプリキャプチャ機能も搭載。-10EVまで対応するAF性能により、非常に暗い環境でも高精度なピント合わせが可能だ。
Nikon Z5 IIは大型で明るいEVFとバリアングル式タッチスクリーンを備え、7.5段分のボディ内手ぶれ補正とデュアルUHS-II対応SDカードスロットも搭載。これらは、同価格帯のキヤノンEOS R8にはない特徴だ。
メカシャッターで14コマ/秒、電子シャッターで30コマ/秒の連写が可能。ボディ単体の価格は1,699ドルで、旧Nikon Z5の割引価格よりは高いが、EOS R8の定価(1,649ドル)とほぼ同等でありながら、より多くの機能を提供している。
Nikon Z5 IIは、優れた機能をより手頃な価格で提供するという点で、筆者にとって2025年のベストカメラにふさわしい存在だ。
2025年ワーストカメラ – IXY 650 m
今回はEOS R100ではない。だがキヤノンは「ちょっと待ってて」と言わんばかりに、ある意味それ以上にひどいものを出してきた。IXY 650 mは、2016年に発売されたIXY 650の完全なコピーである。搭載されているのは2020万画素の1/2.3インチセンサー、DIGIC 4+プロセッサー、そして12倍光学ズーム(35mm換算で25–300mm)。
そう、DIGIC 4+だ。誤植ではない。
この“新型”モデルにおいて改善点はほとんど見当たらない。唯一の変更点といえば、記録メディアがmicroSDカードに変更されたことだが、それを改善と呼べるかは疑問だ。しかもキヤノンはそれだけにとどまらず、PCへの直接転送機能やワイヤレス印刷機能を削除し、Wi-Fi接続機能も劣化させてしまった。
IXY 650 mの価格は379ドルで、これは2016年モデルの発売当初価格よりも高く、中古のIXY 650が200ドル以下で購入できる現状を考えると、かなり割高だ。
キヤノンは、20年前のデジカメ体験を懐かしみ、中古ではなく新品でレトロなカメラを求めるSNSユーザー層をターゲットにしているようだ。初代モデルはセレブの後押しもあり、レトロなコンデジブームを巻き起こしたが、この新バージョンは進化のない“金儲け目的の製品”にしか見えず、キヤノンがこのカメラに本気で取り組んだ形跡はない。誰がこの企画を良いアイデアだと思ったのかは分からないが、今後カメラに関する意思決定からは外れてもらった方がいいとすら思う。
ベストカメラはNikon Z5IIに
CanonRumorsが2025年のベストカメラにNikon Z5IIを選出しています。上記はベストカメラとワーストカメラを引用したもので、この他にも様々な製品が取り上げられていますので、全文は本記事下部の記事元リンクからご覧ください。
この他の選出された製品は以下の通りになっています。
- ベストカメラ Nikon Z5II
- ベストカメラ次点 EOS R6 Mark III
- ベストコンパクトカメラ PowerShot V1
- ベストコンパクトカメラ次点 GFX100RF
- ベストレンズ FE 50-150mm f/2 GM
- ベストレンズ次点 RF20mm F1.4 L VCM
- イノベーション賞 デュアルゲイン出力
- ワーストカメラ IXY 650 m
- ワーストカメラ次点 RF75-300mm F4-5.6
CanonRumorsなのでキヤノン製品だけの選出かと思ったら、すべてのメーカーが対象となっているのですね。
今回のベストカメラはNikon Z5IIが受賞しています。低価格ながら上位モデルに近い性能を提供しており、そのコストパフォーマンスが非常に優れているカメラとして、キヤノン製品を押しのけて1位となっています。EOS R6 Mark IIIが受賞すると思っていたのですが、やはり低価格であることを否定することは難しいということのようですね。
そして今年のワーストカメラは皮肉にもキヤノンのIXY 650mが選出されてしまいました。選出の理由は上記のように古いカメラの焼き直しであるばかりか、いくつかの性能がスポイルされており、さらに価格も上昇していることにあるようです。
そのように指摘されればその通りなのですが、いまはコンパクトデジタルカメラが非常に売れているため、製品が欲しい人向けになるべく早く提供しようと考えて、このような仕様になった可能性もあるので、その点においてはありがたい製品だと思いますね。




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