キヤノンが逆風に立ち向かっている。スマートフォンの普及に米中貿易摩擦などが重なり、祖業で主力だったカメラ事業で需要急減に苦しむ。ただ、すでに先を見据えた事業構造転換に取りかかり、2019年を底に反転攻勢を目指す。御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO)に次の成長戦略を聞いた。
―長く業績をけん引してきたデジタルカメラ事業が市場縮小に直面しています。
「コンパクトデジカメの販売は最盛期の08年に業界全体で1億1400万台あったが、18年は1050万台と10分の1以下になった。一眼カメラも12年にピークの1800万台で18年が1030万台とほぼ半分に減った。この傾向はあと2年ほど続くだろう。両方合計で500万―600万台まで下がると覚悟している。これはスマートフォン出現による市場構造の変化だ」―カメラ不振を補う新規事業の強化・拡大でM&A(合併・買収)は欠かせません。
「もちろん今後も続けていく。狙いをつけている候補の優良企業が複数ある。医療関係のさらなる拡大とともに、監視カメラのソフトウエア関係ももっと強化したい。また、光学産業の将来は無限に広がり、1例が車載カメラだ。自動運転時代になれば、“眼”となるレンズとセンサーが必要になる。その膨大な市場に向けてM&Aなどを活用しながら、事業拡大を図る」―米中貿易摩擦の激化などで既存の生産体制を見直す必要はありませんか。
「以前から見直しをかけてきた。生産のロボット化によるコストダウンを日本中心に取り組み、ロボットなどの設備の内製化も進めている。カメラ工場はロボット導入で省力化しており、余剰人員に対してソフト開発と機械設計分野の再教育を施している。それらが完成すれば、海外の工場があまり要らなくなる。すでにカメラ生産の7割は国内で、複写機・複合機もその流れにある」(記事を一部引用しています)
キヤノンは光学技術分野は伸びるとみている
キヤノンは光学技術に関する事業については楽観的なようです。これまでスマホの影響でコンデジ市場が壊滅的な状況になり、カメラメーカは高級コンデジに注力したり、一眼レフなどの大きなセンサーサイズのカメラに力を入れるようになっています。ですが、キヤノンはカメラだけでなくカメラの中枢をなす光学技術という部分で考えれば、決して縮小することなく、拡大していくと考えているようです。
どういうことかというと、単純にカメラで考えると市場は縮小していくかもしれませんが、カメラをカメラではなくイメージセンサーと光学レンズを搭載した製品と考えれば、イメージセンサーやレンズは他の分野でも必要とされており、決して悲観することはないということのようですね。
どういうことかというと、記事をみればわかるように、監視カメラにはレンズとセンサーが必要ですし、もちろん自動運転車や、ドライブレコーダー、食品に不純物が混じっていないか確認する検査機器、その他様々なものには光学的な技術が利用でき、そして応用できると考えているようです。そして、その応用方法の一つとしてAIを利用した様々な判別方法などのソフトウェアの部分も伸ばしていこうと考えているようですね。
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ロボット採用で日本国内工場生産へ回帰するキヤノン
キヤノンのことですから経済的合理性のために海外生産をより進めているかと思いきや、実はカメラ生産の7割を国内でおこなっているようです。ロボットを利用しているとはいえ、日本国内ではコストがかかりすぎるのではないか?と思うかもしれませんが、海外でこのようなことはやりにくいという関係もあります。
まず、日本は政治的に安定していて、さらに労働力の質が高く、さらにインフラの整備が進んでかつその技術が高いことがあげられます。最近は新興国の賃金も上昇しているので、様々な理由を考えるとロボット化した日本の工場のほうが有利ということも多くなっているようですね。
というわけで、キヤノンは先を見据えて経営を考えていることがわかりますね。仮にカメラ事業がやっとこさ黒字という状況でも他の光学関連事業で利益をだせているうちはカメラ事業は廃止されないと思いますので、光学関連事業については頑張ってほしいですね。
詳細は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。
(記事元)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190831-00010002-newswitch-ind
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