2024年末には一眼レフは消滅する可能性
2024年末に一眼レフが消滅してしまう可能性があるようです。なぜ消滅してしまうのでしょうか?
私は以前からEUの共通充電器指令には、祖父条項が含まれていると思っていたが、どうやらそうではないようだ。例えば、多くの人がEU議会の指令の解釈を引用し「新しい規則は適用日前に市場に投入された製品には適用されない」と述べている。しかし実際の指令では「EUで販売されるすべてのデバイスはUSB Type-C充電ポートを装備しなければならない」と述べられている。
2024年12月24日以降、取り外し可能、または内蔵式バッテリーを持つほとんどの電子機器は、USB Type-C充電器指令に準拠していない場合、EUで販売することができない。これには携帯電話、タブレット、電子書籍、デジカメ、ゲーム機、ヘッドホン、イヤホン、ポータブルスピーカー、ワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボード、ポータブルナビゲーションが含まれる(ノートパソコンは2026年春に新しい規則が適用される)。この指令は最初に2022年に制定され、メーカに2年間の遵守期間を与えた。これが混乱の一部だ。指令を発効したEU委員会は2年間の警告期間が非共通充電器を市場から排除するのに十分だったはずだと明確に述べている。これは確かにアップルがLightningからUSB Type-Cに切り替える原因となった。
簡単に言えば、バッテリーが内部でUSB Type-C経由で充電できるカメラは問題ないが、USB Type-Cで充電できないカメラは問題だ。現在のニコンの一眼レフのラインナップでは以下のと折りだ。
- D7500 USB PDなし
- D780 USB PDあり
- D850 USB PDなし
- D6 USB PDなし
これは以下のいずれかの状況になることを意味することになる。
- 一眼レフは2024年末までに完全に終了するEU指令はカメラメーカに一眼レフのシリーズを廃止する理由を与えることになる。
- 2025年にはニコンの1台の一眼レフが世界中で存在し続ける。ニコンが要件を満たすNikon D6sを作成する可能性があると想像することもできるが、EN-EL18バッテリーを調整する必要があることが問題となるかもしれない。もう一つの可能性としてはニコンが他のカメラ用にEH-8PとMH34充電器を提供することだが、これは規制上のグレーゾーンだ。
- 一眼レフは2025年にヨーロッパではほとんど、または完全に消滅し、世界の他の地域に残される。
古いミラーレスにも問題が波及か
一眼レフは2024年末に消滅するかもしれないとDSLRBodiesが報じています。
このことはよく考えれば分かっていたことですが、気がつきませんでした。欧州では充電器はUSB Type-Cを利用したものでなければならず、USB充電器をどの製品で利用してもバッテリーが充電できるようにしなければならないよう規則が決まっています。
これによりiPhoneがライトニング端子を取りやめて、USB Type-C端子に変更したことは記憶に新しいところだと思います。その同じ規則が、古いタイプの一眼レフにも影響を与える可能性が出てきているようです。
記事によればEUの共通充電器指令には祖父条項がないとしています。通常は、指令が発効した日以降に発売される製品のみに適用され、それ以前に発売された製品には規則が適用されないことが一般的です。これを祖父条項といいます。しかし、共通充電器指令は発効する日以前の製品にも適用されるようです。つまり過去に発売された製品にも適用され、つまりUSB Type-Cで充電できなければ製品は発売できないことになるとしています。
このため、例えばニコンの一眼レフではD7500、D850、D6が、ミラーレスではNikon Z 50などがUSB Type-Cによる充電ができずに影響を受ける可能性があると指摘しています。
このことが、多くのカメラメーカにUSB Type-Cの充電に対応していない製品について、製品そのものをディスコンにする理由を与えるのではないかと問題視しているようですね。確かにもし仮に「お荷物」と考えていたら、これをきっかけに一眼レフを止めてしまおうと考えるメーカがあってもおかしくはありません。
ただし、これにはグレーソーンがあるようです。つまり記事にもあるように、別売りのUSB Type-C対応のバッテリーチャージャーを用意すれば回避できるのではないかというものです。つまりバッテリーを入れるハコだけを用意し、そのハコにバッテリーを挿入し、既存のUSB充電器とUSB Type-Cケーブルを接続して充電するという方法です。このような製品として、ニコンはすでにバッテリーチャージャー MH-34という製品を発売しており、手持ちのUSB充電器とUSB Type-Cケーブルを利用してEN-EL15Cバッテリーを充電することが可能となっています。
従って、この対応が許されるのであれば、D850、D780、D7500はそのまま販売可能ということになります。しかし、Nikon D6のバッテリーをUSB充電器で充電するようにする”ハコ”は今のところないと記憶していますので、それがなければNikon D6は欧州では販売できなくなる可能性があるのかなと思いますね。(バッテリーチャージャー MH-33でUSB充電器により充電可能でした。お詫びして訂正いたします)
またこの規則は欧州以外では適用されないので、EU圏外であればこれまでと同様に発売することは可能性です。なので欧州市場を見切って、そのまま他の市場で発売をし続けるという可能性もあるのかもしれません。
さて、USB充電器でバッテリー充電が可能なアクセサリを提供すれば問題なく発売を継続することができるのでしょうか。それとも製品そのものにUSB Type-C端子がありバッテリーを充電するシステムがないとカメラの販売はできなくなってしまうのでしょうか。非常に気になりますね。
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(記事元)https://dslrbodies.com/newsviews-2/remember-this-date-december.html
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コメント
コメント一覧 (9件)
そういえばそうでした……元記事はニコンのみだったのでキヤノンのを見てみましたが、1DX3以外はType-Cではなく、1DX3も充給電不可(D6と同じ)。6D2などは懐かしのmini-Bでした。ペンタもK-3IIIを残して全滅です。
実は回路的には繋がっててファーム非対応なだけ、とかならD6や1DX3は継続可能性もありますが、そうでなければ再来年にはD780とK-3IIIだけになりますね。あとはペンタが新製品を出すかどうか……
それはそうとZ50ってmicro-Bだったんですね。OM-5のような批判をあまり見た覚えが無く知りませんでした。(当時は今ほど情報追ってなかったからかも……)
2021年秋のジェトロの説明を読む限り充電器と電子機器本体とのセット販売自体は
引き続き認められ、充電ケーブルについても電子機器本体とのセット販売が認められる
との事なので何も問題は無いでしょう。
心配しすぎのように思います。
こちらの記事でしょうか。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/09/aa0c6cfbfed2b3f3.html
下記に引用しますが、「ただし」より前の記述を合わせると、私にはこのように読めます。
「充電器・ケーブルの同梱は禁止しないが、それとは別に非同梱のキットを必ず用意せよ」
充電器非同梱でも手持ちのUSB-Cケーブルで充電できるようにし、無駄な充電器を減らすのが目的なので……もし充電器同梱でOKなら、iPhoneは Lightningのままだったでしょうね。
> 消費者による不要な充電器の購入を避けるために、充電器を含まない電子機器本体のみの販売を義務付ける。ただし、充電器と電子機器本体とのセット販売自体は引き続き認められ、充電ケーブルについても電子機器本体とのセット販売が認められる。
路傍のカメラ好きさん
こんばんは。
はい、この記事です。
メーカーはEUの規制等が発表されればすぐに自社製品についての対応時期と内容について
調べます。
また回避する方法についても条文をよく読み調べます。
期日までに必ず対応させるように動きます。
この記事は”ただし”以降の事項が重要で既に発売されている製品の救済処置と思われます。
そうしなければ直接欧州には輸出されないとしても何処を経由して製品が流れるか分から
ないので混乱が生じます。
実際の所、直接EUに輸出しなくても例えばrohs規制には対応しなければいけません。
それと同じ事です。
それぞれのメーカーの動きは外から見ても部外者は分かりません。
※実際に精密機器製造会社の技術部門で働きrohs規制の対応をしてきた経験からの話でした。
そのような救済措置(祖父条項:施行後のみを対象とする)が無い、というのが元記事の主旨だと思いますし、EUのプレスリリースや文書を見ても、下記のように記載があります。(機械翻訳ですが)
・2024年末までに、EU内で販売されるすべての携帯電話、タブレット、カメラにはUSB Type-C充電ポートの搭載が義務付け
https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20220930IPR41928/long-awaited-common-charger-for-mobile-devices-will-be-a-reality-in-2024
・2024 年以降、すべての携帯電話、タブレット、デジタル カメラ(中略)に適用される
https://single-market-economy.ec.europa.eu/sectors/electrical-and-electronic-engineering-industries-eei/radio-equipment-directive-red/one-common-charging-solution-all_en
「2024年以降に新発売される機器」ではなく、「2024年以降、EUで販売される全ての機器」が対象と読めますが、そうではないということでしょうか。
私が調べた限り、「2023年以前に発売された機器は対象外」のような不遡及を示す文面や解説記事は見つからないのですが、後学のためご提示いただければありがたいです。
(新品/中古の区分記載も無いですが、中古品にUSB-C付けろとは流石に非現実的なので言わないと解釈しています)
路傍のカメラ好きさん
おはようございます。
受け取り方は様々ですが心配は要らないと思います。
一眼レフは存続するでしょうし、EUへの輸出も続けると思っています。
ニコンの動きは外部からは読めませんがtypeC必須であるならコネクタ部を
改良した対策品を発売すると思っています。
(実際はせず現行品を販売し続けると思っていますが)
メーカー内部での対応検討は外部から見るより早くから進んでいます。
他のメーカーも同様です。
仮に欧州ではtypeCで充電可能でないと売れなくなるのなら、D6やD850等のマイナーチェンジモデルを出すのではないでしょうか?
業務で一眼レフを継続的に使っている人が少なくない以上、すっぱり止めることにはならないでしょう。
シェアが小さく、プロユースが少なかったAマウントとは事情が異なると思います。
>Nikon D6のバッテリーをUSB充電器で充電するようにする”ハコ”は今のところない
D6同梱のバッテリーEN-EL18Cは、Z9用のUSB Type-C対応充電器MH-33で充電可能ですので
D6の同梱充電器をMH-26aからMH-33に変更するだけでOKです。
https://www.nikon-image.com/products/accessory/power_supply/mh-33/
ご指摘ありがとうございます。
私の知識不足でした。
さっそく訂正文を掲載いたしました。
今後とも当サイトをよろしくお願い申し上げます。
ご指摘ありがとうございました。