ニコンにはD7500のようなミラーレスカメラが必要だ
ニコンにはD7500のような中間的なカメラが必要だ、そんな記事が公開されています。興味深いので紹介したいと思います。どのような意味なのでしょうか?
それでは記事をみてみましょう。
ニコンは、彼らの最上位機種の顧客(現在では、Nikon Z 6IIからNikon Z 9まで)の多くが、より身軽で、持ち運びが簡単なカメラの選択肢を、彼らのカメラ収納棚に必要としていることに気がついていないようだ。現在では、基本的にそれはNikon Z 50やZ fcになっている(EVFが必要であれば)。両方のカメラはどちらもD5xxxシリーズに近く、このことは「大きな制限」があることを意味しており、ほとんどのユーザは、よりD70/D7xxxxに近いカメラを求めているはずだ。Nikon Z 8と、Nikon D500は、ほぼ同じサイズと重量であり、「Z 90がほしい」人たちの不満のほとんどは価格に関するものになる。
また「ポケットサイズの選択肢」だったCoolpix Aもいなくなってしまったし、もちろん小型なNikon 1もどこかにいってしまった。このためニコンの小型軽量なカメラで「最も実利的な選択」を求めるなら、Z 30、Z 50、Z fcということになる。
そして、それは下品な言い方で申し訳ないが最低だ。
私は近く、Nikon Z 50のレビューを修正しなければならないかもしれない。このカメラのオートフォーカスはもはや効果的ではない。Z 30やZ fcでさえ、少ししか伸びていない。
2000万画素のDXカメラの3兄弟を使えば使うほど、以下のことがわかってくる。
- バッテリー容量は小さくても特に不満ではないが、ただもっと多くのバッテリーを持ち歩くか、マメに充電する必要がある
- 2000万画素は、小型なカメラを使うことができるなら十分すぎる画質なので気にならない
- 背面液晶がバリアングルかチルトかは、自撮りをしなければ甲乙つけがたいが。自撮りをするならバリアングルのほうが勝つ
- Vlogスタイルの動画の撮影のためには、これらのカメラは素晴らしい(10ビットのような基本的な4kよりも優れた動画が必要にならなければ)
- 電子先幕シャッターの1/2000秒の制限は煩わしく、注意していないと露出オーバーの写真が確実に撮影できる
- 私のイライラの多くは、次のような部分に集約される
- オートフォーカス これらのカメラはAF-Cで再補足する傾向があり、ニアミスすることが多い。また、被写体検出やオートフォーカスオーバーライドのカスタマイズ性も十分ではない
- レンズの選択肢 2本のキットレンズ(16-50mm、50-250mm)は16-50mmまでは素晴らしいが、レンズを交換するのに焦点距離が短すぎる(例えば、50mmで切り替わるのは面倒)。大体の2本のレンズキット(12-28mm、18-140mm)も18mmで切り替わるので面倒だ。また、解放f値が暗くなることもやっかいだ(例えば室外の場所から、室内に移動するときに最新の注意を払う必要がある)。
つまり、私は次のことを求めている。
- Z 50サイズのボディで制約が少なく、カスタマイズ性も充実していること
- より優れたオートフォーカス性能
- 小型な16-70mm f/2.8またはf/2.8-4のようなレンズ。これにより、超広角に使うかもしれないものも代わるだろう。望遠は50-250mmで十分だ。
私が定義しているのは、Z 70と新しいAPS-C用のレンズだ。
ニコンは長期的なリピーターとなる顧客を生み出すという点において、最も成功した一眼レフであった「中間」の穴を忘れてしまったようだ。
D40/D60/D3xxx/D5xxxは、間違いなくニコンにとって最も多くの一眼レフの販売台数を生み出した。これらの顧客は、1本か2本のレンズしか買わず、新製品のアップデートが少なかった場合には新製品を購入しなかった。もし、彼らが別のカメラを購入したとしても、それは中途半端なものだった。
ニコンの一眼レフのもう一方はFXだった。2009年頃から、ニコンは国際的に「FXを買おう」とマーケティングや販売活動に躍起になった。これは、彼らの最高の顧客を、より高い利益を生む高級な製品への誘い込む試みだった。低コストのD600が先頭に立ち、多くは成功した(皮肉なことに同じイメージセンサーで、Z 5がその役目を引き継いでいる)。これは特に望遠域以外の新たなレンズ需要を生み出した。
残念ながら、一眼レフの”中間”は好調で始まり(D70)、低調で終わった(D7500)。D80が弱かったのは確かだが、ニコンは中級機を購入するすべての愛好家を、より上へと引き上げる必要があると判断したようだ。リーピーターが減ると、ハイエンドカメラがより魅力的に見えるようになる。
ニコンがデジタル一眼レフを販売する中で見落としていたのは、そのようなトップエンドの人々も、また”真ん中”で遊ぶカメラを購入していたことだ。実際、私が撮影しようとしている状況が危険なものであれば、D850でなく、D7500に頼るつもりだった。
(中略)
これに対する私の問題は次の通りだ。ニコンにとって最大の潜在的な顧客はD70からD7500までのカメラをカメラ収納棚に眠らせている人たちだ。私たちのグループが乗り換えるのをみてきたが、それは止まらない。富士フイルムや、その他のメーカがそのような顧客を時間をかけて食い尽くしていくだろう。
ニコンへのメッセージはシンプルだ。ニコンが低い市場シェアで利益がでることに満足しているのなら、適切な設計されたZ 70から始めるべきだ。必要なら、サードパーティーのレンズメーカにDXレンズラインナップを埋めさせてほしい。あるいわZ 5/Z 6の部品を組み合わせてZ 50と同じサイズ、重量のNikon Z 3を製造し、それをFXラインナップの一番下にすればいいと指摘することもできる。
現在の状況(DX低、FX高)は最終的にニコンの伝統的で最も忠実な顧客の多くを失うことになる。そして、DXが新しい顧客を獲得した場合でも、ニコンにはその顧客を引き上げる中間部分のカメラが欠けている
ニコンがAPS-Cに注力すべき理由
記事では、フルサイズセンサーのカメラもいいが、もっと手軽で、さらに性能的にも優れているカメラが必要だとしています。それは、D7xxxシリーズに該当するカメラだと考えているようですね。
フルサイズと同様の機能やカスタマイズ性があり、しかしAPS-Cで小型なカメラというものを望んでいる人が実は多いのではないかと指摘しているようです。また、Z 50のようなカメラを購入した人が、より上位機種にステップアップしたい場合にも、その機種がなくZ 70のようなカメラが必要だとしています。
まあZ 5があるじゃないかという意見もあるわけですが、フルサイズでは高価なレンズも必要になったり、いま所有しているレンズもあまり使うことはなくなると思うので、フォーマットの移行というのは案外と需要がないのかもしれません。
いずれにせよ、ニコンも本来はそのあたりも理解していると思います。というのも、当時はフルサイズのシェアを奪われてしまうという危機感から参入したと思いますし、プロフェッショナルなユーザの支持は失いたくないということでS-Lineのような高価なレンズの拡充から進めていっていたのだろうと思います。
そうなるとAPS-Cは開発は二の次ということになりますので、こういう状況になるのも仕方がないと思いますね。
しかし、Z 9、Z 8でハイエンドカメラで巻き返したあとは、いよいよZ 6やZ 7の最新機種や、APS-Cのハイエンドも気になるところとなっており、ニコンも当然、検討していると思います。
ようは優先順位の問題で、いつかは発売されるのではないかと思うのですが、どうなるでしょうか?
(記事元)https://www.zsystemuser.com/nikon-z-system-news-and/
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コメント
コメント一覧 (6件)
ニコンZの新機種に関する問題はセンサーだと思っています。
Z8/9以外のセンサーは軒並み古い代物ばかりで、それらがEXPEED7の高速処理に対応できるのか甚だ疑問があります。
恐らく今後の新型ボディは全て新規センサーになるのではないでしょう。
Z6/7のIII型というフルサイズ機でかなりの研究開発費が取られているであろう中で、APS-Cに注力できるだけの体力がニコンにあるのか。
記事の書かれている方の気持ちもわかりますが、正直難しいような気がします。
>なるのではないでしょう。
「ないでしょうか」ですね、失礼しました。
ウチのZ50も購入して4年近く経ったので、ニコプラで整備に出してきました。
AFがおバカですが、仰々しくないので使い勝手も良くて、未だに手放せません。
早く後継機が出て欲しいという気持ちもありますけどね。
順番としては一番後なのかもしれませんが、待っています。
キャノンR8が結構高く、ニコンもZ5後継をどうするか的な所もありますが、それなりにフルサイズ機価格が高くて20万円ぐらいなら、Z50との間では若干大きな価格差でもあるような気もします(日本での話になりますが)。α6700の価格もどうなるかですが、Z70はあっても良いような気もします。APS-C一眼レフではD7500が最終機のようだ(D90の販売も続いている、α6400後継より先にα6700)ということからも望みもあるのでは? 70-180mm F2.8もVRなし等、ボディ内手振れ補正APS-C機はありがたい気もします。
DX用レンズがまだ充実していない中FX用レンズもAPS-C機に付けることを想定するとIBISが搭載されたAPS-C機は出てほしいですね。
ハイエンドのZ 90 / Z 80じゃないにしろZ 70 (EOS R7やX-T5クラスの対抗機) は必要だと思います。
Z50にmark2が出たらさすがにIBISが付くでしょうし、そうなればD7000系を兼ねると思います。そもそもZ50は事実上の後継だと思っていました。
個人的にはD500の後継の方が必要で、Z8のDXで十分というのは疑問です。まず価格帯があまりにもかけ離れていますし、DXのクロップ使用では画素数は大して変わらなくても、位相差のAFポイントは大きく違います。
レフ機時代からセンサー開発は他社製ですが、ソニーと全く同じお下がりを貰っていた訳ではないですし、Z9もα1と同じセンサーと言われていますが、画素数も違いますし、同じセンサーが入っているソニー機はありません。今でも出す気があれば出せると考えますが、問題はその他の部材調達で優先度が低いのでしょう。
D500は生業の人も使っているカメラです。これの後継は必須だと考えます。他社にはハイエンドAPS-Cはありましたが、フラグシップAPS-Cはありませんでした。D500はそれだけ特別な一機です。