フルサイズミラーレスの開発担当者へのインタビュー記事が公開されています。
――レンズのラインアップに関して、高性能のLレンズが中心で、EF-MマウントのAPS-Cミラーレスからのステップアップに適した低価格レンズがないようですが。
清田氏:確かに、EF-Mからのステップアップで考えると、RFレンズは価格が高め中心になっているかもしれません。まずは、EOSの中級機を使ってこられた方のステップアップをターゲットにし、手ごろな価格で軽いカメラを使いたい方にはEOS Mシリーズをおすすめする、という戦略です。
EOS Rは、一眼レフの中級機からのステップアップを考えるユーザーを中心に見込んでいる
――価格的にも画素数的にも、ニコンのNikon Z 6が対抗になると思うのですが、Nikon Z 7のような上位モデルなども考えていますか?
清田氏:まずは、バランスの取れた真ん中のクラスとしてEOS Rを投入しますが、当然ながらそれよりも上位や下位の機種も考えてはいます。特に、より高画素のモデルを他社が出していますので、その対抗となる機種の要望は多く寄せられるだろうなと考えています。
――今回、1機種のみの投入となったのは、センサーを自社開発している点が関係しているのですか?
清田氏:5,060万画素のEOS 5Dsがありますし、センサーの自社開発が足かせになったということはありません。
――EOS Rシステムを使ったCINEMA EOSの可能性は?
原田氏:可能性はあると思います。ミラーレスは動画と相性がよいので、動画機能に特化したカメラも作りやすいでしょうし、EOS Rシステムを使ったCINEMA EOSは考えてはいます。
――将来的に8Kも対応できますか。
清田氏:EOS Rシステムとして8Kも想定しています。しかしながら、放送局などの専門分野はともかく、一般ユーザーにそもそも8Kが必要なのか、という疑問があります。たとえ撮影できたとしても、8Kを表示するデバイスはあるのか、熱処理はどうするのか、ファイルサイズの肥大化によるハンドリングの悪化をどうするか、といった課題があるので、まずはそういった点を含めて慎重に検討していく必要があると思っています。
――従来の一眼レフEOS、EOS M、EOS Rと、キヤノンはレンズ交換式カメラで3つのラインナップを擁することになりました。開発リソースは大丈夫でしょうか。
原田氏:現在もまさに開発を進めていますので、その点は問題ありません。共通で開発できる部分は効率的に進めつつ、特化しなければならないところにリソースを重点的に投入するなど、いろいろ工夫しながら開発しています。シミュレーション技術の発達で、昔に比べて開発期間や費用などを短縮できていることも追い風になっていますので。
(記事を一部引用しています)
いくつか新情報がありました。記事によれば、EOS Rはバランスのとれた真ん中のクラスとして投入していると明言されています。さらに、当然ですが、それより上位のクラスと下位のクラスのカメラも検討しているようですね。
EOS Rとしては8kビデオも検討しているようですが、その必要性、需要、表示するデバイスの普及状況などを考えて、総合的に機能を搭載するかどうかを検討していくようですね。
またレンズについてですが、EOS、EOS M、EOS Rと3つのマウントをラインナップを維持する必要があるわけですが、そこは問題なく維持できるとしています。ただ、このあたりは額面通りに受け取れない可能性はありそうです。海外のレビューをみていると、ニコンのFマウント、キヤノンのEFマウントは、それぞれ次第に縮小していき、ミラーレスに軸足を移していくという観測をしているサイトが多いですね。
主な理由として一眼レフの光学ファインダーが必要になるのは特に飛行機、カーレース、鉄道、スポーツなどEVFの遅延が気になる可能性のある動き物の撮影で、その場合には望遠レンズがよく使われることになり、良好な望遠レンズを実現するにはバックフォーカスが長くなるのでミラーレスにする意味がない(小型化できない)という意見が一部あるようです。
そして記事にもありますが、実質的にはやはりEOS RはNikon Z6が対抗機種と考えられているようですね。Z7は画素数が多いので、どちらかというし上級機種と考えられるそうです。車で例えるとほとんど同じ装備の車なのに、一部のクラスにエンジンの排気量が大きいモデルを投入していたりしますが、Z6とZ7はそんな関係なのかもしれませんね。
いずれにせよカメラはいろいろな被写体や撮影環境によって使い分けたりすることがありますので、そのあたりのラインナップをどれくらい拡充させてくるか興味があるところですね。
詳細は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。
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