EOS R50とEOS Kiss M2の比較
本日、EOS R50が発表されました。事実上のEOS Kiss M2の後継の可能性が高いわけですが、いまのEOS Kiss M2とどのような点において仕様が異なるのでしょうか?少し調べてみました。
それでは仕様を比較してみましょう。
EOS R50 | EOS Kiss M2 | |
有効画素数 | 約2420万画素 | 約2410万画素 |
イメージプロセッサ | DIGIC X | DIGIC 8 |
記録画像タイプ(静止画) | JPEG、HEIF、RAW、DPRAW、RAWバースト、C-RAW | JPEG、RAW、C-RAW(CR3 キヤノン独自:14bit) |
レンズ光学補正 | 周辺光量補正、色収差補正、フォーカスブリージング補正、歪曲収差補正、回折補正、デジタルレンズオプティマイザ | 周辺光量補正、色収差補正、歪曲収差補正、回折補正、デジタルレンズオプティマイザ |
AF | デュアルピクセルCMOS AF II | デュアルピクセルCMOS AF |
フォーカス動作(静止画) | AIフォーカスAF、ワンショットAF、サ-ボAF、シーンインテリジェントオート時は被写体に応じてワンショットAFからサーボAFに自動切り換え | 顔+追尾優先AF、ゾーンAF、1点AF、スポット1点AF、 ワンショットAF、サーボAF |
被写体検出自動モード | あり | なし |
被写体検出 | 人物、瞳、動物、乗り物 | 人物、瞳 |
測距輝度範囲 | EV-4.0~20(F1.2レンズ・中央測距点・ワンショットAF・常温・ISO100で使用時) | EV-4~18(静止画撮影時、F1.4レンズ使用時・中央測距点・ワンショットAF・常温・ISO 100) |
ISO感度(静止画) | ISO100~32000(1/3、1段ステップ)拡張ISO感度(相当):H(51200) | ISO 100~25600手動設定(1/3段ステップ)、H(ISO51200相当)の感度拡張が可能 |
シャッター形式 | 電子制御式フォーカルプレーンシャッター、撮像素子によるローリングシャッター | 電子制御式、フォーカルプレーンシャッター |
シャッター速度 | 電子先幕設定時:1/4000~30秒(すべての撮影モードを合わせて)、バルブ 電子シャッター設定時:1/8000~30秒(すべての撮影モードを合わせて)、バルブ | 1/4000~30秒(すべての撮影モードを合わせて)、バルブ(撮影モード:Mのみ)、 ストロボ同調最高シャッター速度=1/200秒 |
連続撮影速度 | 高速連続撮影+:最高約12コマ/秒(電子先幕)、最高約15コマ/秒(電子シャッター) 高速連続撮影:最高約7.6コマ/秒(電子先幕)、最高約15コマ/秒(電子シャッター) 低速連続撮影:最高約3.0コマ/秒(電子先幕)、最高約5.0コマ/秒(電子シャッター) | [ワンショットAF時]高速連続撮影速度 最高約10コマ/秒、 低速連続撮影速度 最高約4.0コマ/秒 [サーボAF時]高速連続撮影速度 最高約7.4コマ/秒、 低速連続撮影速度 最高約4.0コマ/秒 |
連続撮影枚数 | JPEGラージ:約42枚 HEIFラージ:約41枚 RAW:約7枚 RAW+JPEGラージ:約7枚 RAW+HEIFラージ:約7枚 | JPEGラージ/ファイン:約36枚、RAW:約10枚、 RAW+JPEGラージ/ファイン:約10枚 |
フォーカスモード | AF、MF(手動ピント合わせ、約5倍/10倍拡大確認可能) | AF、MF(手動ピント合わせ、約5倍/10倍拡大確認可能、MFピーキング可能) |
4k動画 | 6kオーバーサンプリング クロップなし | クロップあり |
動画記録サイズ | 4K UHD※/3840×2160(16:9) フルHDハイフレームレート動画/1920×1080(16:9) フルHD/1920×1080(16:9) フルHDタイムラプス動画/1920×1080(16:9) HDR動画/1920×1080(16:9) クリエイティブフィルター/1920×1080(16:9)※6Kオーバーサンプリングから生成 | 4K(3840×2160): 23.98p/25.00p Full HD(1920×1080): 59.94p/50.00p/29.97p/25.00p/23.98p HD(1280×720): 119.88p/100.00p/59.94p/50.00p ビデオスナップ(1920×1080): 29.97p/25.00p/23.98p ジオラマ風動画(1920×1080): 29.97p/25.00p/23.98p 4Kタイムラプス動画(3840×2160): 29.97p/25.00p フルHDタイムラプス動画(1920×1080): 29.97p/25.00p |
背面液晶 | ワイド3.0型(3:2)/約162万ドット | ワイド3.0型(3:2)/約104万ドット |
デジタル端子 | USB Type-C | USB Micro-B |
バッテリー撮影枚数 | ファインダー撮影:常温(+23℃)約320枚 モニター撮影:常温(+23℃)約450枚 | ファインダー撮影:常温(+23℃)約250枚/低温(0℃)約230枚 モニター撮影:常温(+23℃)約305枚/低温(0℃)約280枚 |
大きさ | 116.3(幅)×85.5(高さ)×68.8(奥行)mm | 116.3(幅)×88.1(高さ)×58.7(奥行)mm |
重量(ブラック本体のみ) | 約328g | 約350g |
価格(キヤノンオンラインショップ、ボディ単体) | 11万1100円 | 7万7000円 |
動画機能がかなり向上
他に細かな違いはあるのですが、機能的にかなり異なる部分のみ抜き出してまとめてみました。
さて比較してみると、主に動画とAF機能が強化されていることがわかります。
まずイメージプロセッサがDIGIC 8からDIGIC Xへ変更になりました。これにより被写体の追尾性能がかなり向上しているようです。またAFもデュアルピクセルAFからデュアルピクセルAF IIになり、AF性能も強化されていることがわかります。これらにより、被写体追尾性能もKiss M2の人物、瞳AFに加え、R50では動物、乗り物の認識や追尾も可能となっています。さらに連続撮影速度も最大で10コマ/秒から15コマ/秒に向上しています。
4k動画では全画素読み出しの6kオーバーサンプリングからの録画が可能になり、Kiss M2にはあったクロップの制限がなくなりました。そして端子がMicro USBからUSB Type-Cに変更になり、これも嬉しい変更点ですね。
サイズや重量についてはRFマウントを採用ということで、かなり大きくなるのかなと思ったら、奥行きは増えているのですが、縦横のサイズはむしろ小さくなり、重量も少なくなっているため、これならKiss M2の後継機種としても十分に成り立っているのかなと思いますね。
ただし、問題は価格で、キヤノンオンラインショップでの発売時の販売価格で、Kiss M2は7万7000円だったものが、11万1100円と40%の値上げです。価格だけみるとコスパはかなり悪化というようにもみえますが、将来的にどの程度の価格まで下がるかということになると思います。現時点では価格的にはKiss M2の代替にはなりそうにありません。キヤノンはここ最近のエネルギー価格の上昇や、輸送費の向上、円安などを織り込んでこの価格にしたのだと思いますが、なかなかエントリークラスとしてはハードルの高い価格設定になっているのは間違いないと思います。
とはいえ性能的には十分高性能でKiss M2から進化しており、エントリークラスとはいえ一眼レフの最も安い中級機ぐらいの機能はありますので、このぐらいの価格でも妥当のように思えます。確かにKiss M2よりは値上がりですが機能向上分の価値はありそうですし、今後価格が下がることを考えれば将来的にコスパもかなり高くなるのではないでしょうか。
このあとにたぶん価格的にもっと安い廉価な製品が投入されると思いますので、価格的なKiss M2の後継機種はそれらのカメラになるのかもしれません。
(EOS Kiss M)https://cweb.canon.jp/eos/lineup/kissm2/
(EOS R50)https://cweb.canon.jp/eos/lineup/r50/
Twitterいいねとリツイートのお願い
記事をよんで面白いと思ったら、Twitterでのいいねボタン、リツイートをしていただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
コメント
コメント一覧 (6件)
やはりインタビューが気になります。キャノンはKissの後継という点をどの程度の加減で言うのか? Rマウント、名前も違うし、他社に先行した性能の最新機種ということで、かなり違うというのか? そうではなく価格は現在の状況でこうなったのか(国によって違ういい方にもなる?)。
明らかに対抗機種はまずは現行のα6400でしょうし、日本ではダブルズームキットが主戦場で、原則的にはその辺りの価格となっているのではないでしょうか。ですので、またα6400後継機種がどうなるのか問題ありで、今後も難しそうです。個人的にはVLOGCAM関係が後回しになって、キャノンはVLOG系を重要視していないのか?、それとも開発に少し時間が必要?とか気になります。ニコンだけがあっさり?追随しましたが、他社もどうするのでしょう?
いや、インタビューを待つまでもなく、R50はRFマウント版Kissでしょう。まず何より名称、KissMも日本以外ではM50という名前でしたから、名称統一ですね。
製品ページもスペシャルコンテンツも明らかにこれまでのRボディとは毛色が違います。RPやR10でも 謳っていなかった「家族」を全面に出しているのは、Kissの系譜の証と言えると思います。
https://cweb.canon.jp/eos/your-eos/product/eosr/r50/
https://cweb.canon.jp/eos/special/kisssp/kissm2-feature/
お値段が高いのは……円安とはいえやりすぎ感ありますが、発売後の値下がりを見込んでの価格なのかもしれませんね。KissM2を売り切ってから値下げ、とかの可能性も……?
価格を EOS Kiss M2 と比較すると判断を誤りますね。
今の現況に合わせた価格の比較は EOS R10 と行った方が良いと思います。
EOS R50 の基本的な性能は EOS R10 と同じです。
一部機能は省略されてフォーカルプレーンシャッターの先幕等は
搭載されていません。
また連写速度が少し劣ります。
EOS R10 に対し本機はクリエイティブアシスト等細かいところが
追加されています。
AFも今のトレンドに合わせ EOS Kiss M2 より強化されています。
普通に考えれば EOS R50 の価格で EOS R10 に近い機能を楽しめると
考えた方が良さそうです。
R50は実質 [Kiss M3] みたいなものですね。
ただ日本で [Kiss R] という名にしなかったのは時代の流れでしょうか。
もしくはR50からEVFを省いたりVlog向けにした機種が [Kiss] の名を継いだり? (R100やR1000が出るなんて噂もありましたし)
しかしキヤノンもニコンもまだまだAPS-C用レンズが足りないので、ニコンは電動ズームのDX 12-28mmを出すようですが、キヤノンもそのような電動広角ズームを出すのか?そのときにVLOGCAMを出す?
kissはブランド終息だそうです
さらば「EOS Kiss」 登場から30年でブランド終息へ
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2302/08/news192.html
>>ケルサンさん
情報ありがとうございます。