半導体を作る装置の半導体がない
世界的に半導体不足が深刻化している。その半導体不足を解消するべく、世界中の半導体メーカーが新工場を増設し、半導体の増産を計画している。その新工場には、膨大な数の各種製造装置が必要となる。ところが、その製造装置に搭載する半導体が調達できず、製造装置のリードタイムが長期化している。現在は平均で14カ月以上、なかには2年も待たなければ導入できない装置もあるという。
(中略)
このジレンマは、一体どうしたら解消できるのだろうか? 半導体メーカーが製造装置メーカー向けに、優先的に半導体を生産するしか手段がないと思うのだが、サプライチェーンが複雑で、この問題は簡単に解決できないようである。何とかならないのか?
JBpress
最近、様々なところで半導体不足が問題になっていますが、半導体不足のために半導体製造装置がつくれないという、ちょっとした禅問答のような内容の記事が公開されています。なぜ半導体不足になっているのかなど、詳細な記事がありますので、全文は記事元リンクからご覧ください。
記事によれば、半導体不足のため半導体製造メーカはかなりの投資をして半導体工場を設立しようとしているそうです。しかし、半導体を製造する装置の半導体の入手が困難になっていて、半導体製造装置を製造できないという、なんか矛盾のような状態になってしまっているのだそうです。
確かに、半導体製造装置もかなりの精密な機器で半導体が多様されていますので、半導体不足になるということは半導体を作る装置に必要な半導体も不足しているということになり、まさにジレンマと言える状況になっているわけですね。
この状況は、例えばもの凄い人口が増えてお米が足りなくなっているのに、そのお米の多くを食料として販売していまい、来年にお米を作るために必要な種籾が少なくなったというような状況に似ているのかなと思います。翌年に需要を満たすだけのお米を収穫できるのに必要に種籾がないと、また来年もお米不足になってしまいます。
このような状況は半導体製造装置を製造するニコン、キヤノンなどにも影響がでてくると思います。半導体不足で半導体製造装置の需要は高まっても、それを作る半導体がないとなると、ニコンやキヤノンも装置を生産することができません。
資本主義の難しい側面も
資本主義では、株式会社には株主がいて、株主は株価を気にしているので、ある期間で最も利益を得られるような経営を求めることがあります。お米の話にもどりますが、食料として販売するお米の量を減らして種籾の量を増やせば来年は収穫量が増えて、今以上に利益を得られるはずです。しかし短絡的に現時点で最も利益を得ようとすると、いまあるお米をすべて販売してしまい、来年はお米を生産できないとか、生産してもごく少量になってしまう可能性があります。
短期的な利益も大事ですが、長期的な利益も大事なので、そのあたりは考えなければならないのですが、資本主義は基本的に法律で決められた範囲内で利益優先なので、法律を変更して何かしら抑制しない限りこの動きは止められません。なので、半導体でも現状で、半導体製造装置メーカに半導体を売るよりも、もっと利益を得られる売却先があれば、そちらに半導体を販売してしまうでしょうから、もうこれは仕方がないといった側面もあると思います。
資本主義は基本的に法律で決められた範囲内で利益優先なので、法律を変更して何かしら抑制しない限りこの動きは止められません。なので、半導体でも現状で、半導体製造装置メーカに半導体を売るよりも、もっと利益を得られる売却先があれば、そちらに半導体を販売してしまうでしょうから、もうこれは仕方がないといった側面もあると思います。
しかし、そのままではどんどん半導体製造装置の製造が遅延してしまい、今後も伸びる半導体需要に対応できなくなってしまう可能性もでてきます。もしこれが専制国家だったら、半導体製造メーカに、半導体製造装置を製造するメーカに優先的に供給するように命じて、問題解決ということになるのだろうと思います。しかし、現在の民主主義国家では、このような専制的な解決法はすぐには実現できません。なので非常に難しい問題になっていて、なかなか簡単に解決できない問題になってしまったなと思います。
最近では、半導体不足が解消するには来年になるという報道もあったりして、その期間はどんどん後ろに伸びている印象です。実際に解消するのは、再来年とか、それ以降になる可能性もあるので少し心配になりますね。
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