―厳しい環境が続くカメラや事務機器では、それぞれ業界再編が進むのでしょうか。
「カメラは(オリンパス撤退で)むしろ再編が終わったのではないか。残る関心事は(オリンパスのカメラ事業を継承した)OMデジタルソリューションズの今後だろうが、国内に買い手がいるとは考えにくい。事務機器の環境はカメラほどは悪くはない。現状はコロナ禍の一時的な影響が大きく、再編はないだろう」(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/328c0999ee4948f7a7e0b9936e3cceb6663cfc38
カメラ業界の再編は終了?
ニュースイッチがキヤノンCEOの御手洗会長とのインタビュー記事を掲載しています。
記事では、キヤノンの事業などの今後の展開や見通しについてのインタビューを掲載しています。そのなかで、カメラ業界についてのインタビューもあるのですが、そこに興味深い意見がありました。それが上記で引用した部分になります。
記事によれば、カメラ市場に関しては、オリンパスの撤退でむしろ再編が終わったとしています。この業界再編については国内企業のことが念頭にあると思われますので、つまり、ソニー、キヤノン、ニコン、富士フイルム、リコーを含めて再編は終了したということを述べているようです。
これを聞くと結構大胆に考えているんだな?という印象ですね。個人的には、ソニー、キヤノンはカメラ事業の継続が可能だとしても、ニコン、リコーあたりはちょっと心配な感じもしますし、富士フイルムもどちらかというと事業継続できそうに思いますが、個人的な意見としてちょっと不安に感じる部分もあります。
気になるオリンパスのカメラ事業の今後
オリンパスのカメラ事業は日本産業パートナーズ(JIP)に、2021年1月に譲渡が完了しました。ベトナムの製造工場や、開発部門、サポートに関する部門もまとめて移管するような形になっています。
これまでのところ日本産業パートナーズは、小回りの効く体質になるので経営を続けて黒字化し、オリンパスのカメラ事業を保有し続けるというようなことを述べています。なので、オリンパスのカメラ事業は、そのまま日本企業として存在し続けることができるのかな?という印象があったのですが、御手洗会長はそのようには考えてはいないようですね。
記事では、今後の心配として、オリンパスのカメラ事業が国内に買い手がいるとは考えにくいとしています。ということは、JIPはこのままオリンパスのカメラ事業を保有し続けて、製品を販売し利益を得るというようなことをせず、様々なリストラをして黒字化したら、他の企業に売却することで利益を出そうとしているのだろうと考えているのだろうと思います。
そして、国内では買い手はいないので、たぶん海外の企業に買われることになり、オリンパスのカメラ事業は海外に売却されることになる可能性があるのでは?ということを示唆している発言なのだと思います。
可能性は結構ありそうですよね。もしオリンパスの名称が使えるのなら、海外企業でブランド名が欲しいというところはゴマンとあると思います。ただ、今のところブランドを継続的に利用できるかどうかはわからないので、そのあたりは不透明です。
そして、いまはカメラ市場が縮小しているので、オリンパスのブランド名が使えないとしたら、わざわざ巨額のお金を支払ってカメラ市場に参入したいと思う企業があるのかな?という疑問はありますね。もしブランド名を使えるとしたら、新興国のレンズメーカですとか、スマホメーカがそのスマホカメラにオリンパスの名称をつけたスマホを発売するとか、そのような可能性は考えられるのかな?とも思いますね。
そう考えると、果たしてオリンパスの新会社の今後は、そのまま日本企業として経営され続けるのか、それとも黒字化したら海外に売却されてしまうのか、どういう決着を最終的に迎えるのか興味のあるところですね。
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コメント
コメント一覧 (3件)
元のインタビューは短く、細かい点はわからない感があります。再編終わりといっても、どれぐらいのスパンのこと念頭に言っているのかが個人的には?です。少し長い目で見れば、2011年にリコーがPENTAXを買収、2018年にカシオ撤退で、2020年がオリンパス分離。古くは京セラが撤退、ソニーがコニカ=ミノルタを買収でしょうか(2016年にSUMSUNG撤退、考えようによっては、古くにソニー、パナソニックが参入)。
結局のところ、とにかくオリンパス(OM)以外は今後も何とかやっていくだろうということであれば、個人的には、かなりうれしいです。ただし現在でも、コンパクトデジタルカメラの品ぞろえにさみしさを感じていますが。。。。そしてOMも頑張ってほしいです。
もうカメラ事業なんてオワコンすぎてまともに買い手がいないというのが肝かな。
つまり買収という意味での再編はもう起こらないということで、今後はカメラ事業が苦しくなったメーカーは撤退しかないという予想だろう。
今後もパイが減り続けるのが確実な中、現状でも既にメーカー(≒マウント)は飽和状態。
こうなると、顧客のニーズに応えられない、或いはそもそもの体力に劣るメーカーから淘汰されていくのは当然です。
この内容で真意を全て読み取るのは不可能ですが、
「センサーを自前で用意出来るウチとSONY以外、最後まで生き残れるメーカーはない。」
と、御手洗氏は考えているのではないでしょうか。