全国の家電量販店やECショップでPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、9月のミラーレス一眼デジタルカメラの販売台数は年初(2020年1月)の水準に戻った。緊急事態宣言が出されるなどして、ここ数年でもっとも数字が落ちた4月と比較すると2.6倍の販売台数を記録した。
ただ年初の数字に戻したとはいえ、カメラ市場が苦境を脱したとは言えない。新型コロナウイルスをめぐる状況は先が読めず、上半期に落ち込んでいた穴埋めと考えれば元の水準に戻るだけでは不足している。年末商戦では「Go To トラベル」などを絡めた訴求を効果的に消費者に発信する必要がありそうだ。
(記事を一部引用しています)
(記事元)https://news.yahoo.co.jp/articles/0e5ca7f713518d08dba56ee2af18f76b54ccaab8
GoToトラベルでカメラ需要が復活?
BCNが最近のカメラ市場の状況について報告しています。記事によれば、9月のミラーレスの販売台数がコロナが大きく問題視される前の2020年1月の水準まで復活し、最も販売台数が減った4月の2.6倍を記録しているとしています。純粋に販売状況が復活してきているというのは嬉しい知らせではありますよね。
そして記事の題名は「Go Toトラベル効果で復活の兆し! ミラーレス販売が年初の水準に」という題名となっています。ということは、GoToトラベルがきっかけで旅行者が増え、それに伴いミラーレス一眼の販売数も伸びていると分析しているということなのでしょうか。もし、これが本当だとすると、やはりカメラというものは、何かしらのイベントがあって、それを記録するために購入されているということを強く示唆することになるのかもしれませんね。
具体的にはどのように復活をしているのか数値が知りたいところですが、残念ながら記事では月別の細かなグラフや数値などは記述されていませんでした。
なのでCIPAが公開しているレンズ交換式カメラの出荷数量推移グラフを参考にしてみてみたいと思います。ただし、これはレンズ交換式、つまり一眼レフも含むということと、日本国内の出荷数量ではなく全世界での出荷数量の推移になりますので、若干異なる可能性がありますが、傾向的には似たようになるはずです。
完全復活まではほど遠い状況か
というわけで、グラフをみてみると以下のようになります。画像クリックで拡大します。
このグラフをみると、確かに8月の段階で1月ぐらいの水準まで復活していることがわかりますね。日本では4月がデジカメ販売の底だったようですが、世界的には5月が最も少ない出荷数量だったことがわかります。
1月がどのような頃だったかというと、新型コロナの感染が中国で始まっているというニュースが報道されていた頃です。2月が中国の正月である春節になるため、中国からの旅行者から感染が広がるのではないか?と心配されていました。その後に日本でかなり報道されたダイヤモンドプリンセス号からコロナ患者が発生したということがわかったのが2月1日です。日本国内ではまだ感染の危険性が少ないとしていて、旅行なども自由に行えていたのは1月くらいまででしたよね。
というわけで1月の水準まで戻ったということは嬉しいことですが、グラフをみると9月はもっともカメラの需要が高まる月の一つというような感じですので、それでも1月レベルしか復活していないということは、全体的な需要としては、まだまだ戻っていないというところかもしれません。
実際に需要が戻るにはかなりの時間がかかるのかもしれません。ちょっと心配になりますね。
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コメント
コメント一覧 (1件)
数年前迄のブームは所詮バブルに過ぎなかった訳で、その頃の市場規模と比較するのは無意味ですよね。
問題は、その後の市場のシュリンクが大方の予想よりもはるかに早いペースで進んでしまったこと。
で、そこへ更に追い討ちを掛けたのがコロナ禍と。
客観的に見て、カメラ業界は『止めを刺された』といっても過言ではない状況に追い込まれてしまいました。
今後、画期的な技術でカメラの性能が劇的に上がったとしても、既にスマホで事足りている庶民の殆どが全く関心を示さないであろうことは、容易に想像出来ます。
つまり、一時的に持ち直すことはあっても、再びカメラ市場が拡大する可能性は皆無と言い切ってもよいでしょうね。