中判サイズの湾曲センサー用に設計されたレンズが記載されたソニーの特許を発見した。もちろん、我々はまだソニーがこのことに真剣になっているのか、それともこれはただの実現可能かを見極める練習、または将来のアイデアとして特許で保護しておきたいのかどうかはまだわからない。
これらが湾曲中判センサー用に設計されたソニーのレンズの特許だ。
・387mm f/2.8 (全長679mm) 35mm換算 240mm f/1.7
・323mm f/2.8 (全長576mm) 35mm換算 200mm f/1.7
・258mm f/2.8 (全長380mm) 35mm換算 160mm f/1.7
・161mm f/2.8 35mm換算 100mm f/1.7
・84mm f/2.9 (全長123mm) 35mm換算 52mm f/1.7私が思うにソニーが湾曲した中判センサーを作ることは理にかなっている。湾曲したセンサーはコンパクトなレンズ設計を可能とする(サイズと全長が約30%減少する)。
(記事を一部引用して意訳しています)
ソニーが中判センサー用のレンズ特許を出願
SonyAlplaRumorsがソニーが出願した中判センサー用のレンズ特許について報告しています。
記事によれば、ソニーは中判センサー用のレンズの特許を出願しているようです。スマホの影響で廉価コンデジの販売が激減しているような状況で、カメラメーカはスマホとの差別化や、より高価格な商品を購入してもらうためにセンサーサイズの大きなカメラを市場に投入し続けています。そのためコンデジでは一時期になかったような1インチセンサーという大きなセンサーを市場に投入したり、ミラーレスではフルサイズミラーレスを投入しています。このは少しでも高い利益率を得るためだと思われますね。
今現在、大きなセンサーのカメラというと、多くの人はフルサイズセンサーのカメラを想像するわけですが、ソニーはフルサイズセンサーよりも大きな中判センサー用レンズの特許を出願しているというのが、この特許における注目ポイントです。
デジタルカメラにおける中判センサーというのは43.8mm×32.8mmというサイズです。いわゆるフルサイズセンサーと呼ばれるセンサーは36mm×24mmなので、ひとまわり大きなセンサーということになりますね。フルサイズも中判もスマホでは不可能です。スマホなどに対抗するため、どんどんセンサーを大きくして差別化したいということがあるのかもしれません。
湾曲センサーによって小型化が実現できる?
デジカメはフィルムのかわりにイメージセンサーを利用して撮影しているわけですが、フィルムの場合と異なり、イメージセンサーでは光を垂直に当てないと正しく信号を読み取れないのだそうです。説明が難しいので、オリンパスが説明する文章を引用してみます。
片岡:フィルムからデジタルに移行するにあたり、ごく自然な考えとしてイメージセンサーのサイズをフィルムと同じにするという選択肢がありました。そうすると、焦点距離と画角の関係が変わらないので、直感的にわかりやすいということはあります。しかし、私たちはデジタル時代にはそれに合ったフォーマットがあるのではないかと考えて検討をスタートしました。
フィルムとイメージセンサーの大きな違いは、フィルムは斜めから光が入っても感光するのに対し、イメージセンサーは光が真っすぐに入らないと正しく信号を読み取れないことです。専用レンズを開発し、光が真っすぐに当たるテレセントリック性を追求すれば、小型軽量と高画質を両立できるのではないかと考えたのです。(引用)https://www.olympus-imaging.jp/product/dslr/em1x/interview/01.html
このようにセンサーに斜めに光が入ると正確に信号が読み取れないそうなのですが、マイクロフォーサーズほどのサイズのセンサーでもこのような状況になってしまうのであれば、フルサイズセンサー、ましてさらに大きな中判センサーはセンサーサイズが大きいので、さらに斜めに光が入ってしまう状況になってしまうということが考えられますよね。
そのために考えられる解決法が、上記の特許にもあるような湾曲したイメージセンサーです。センサーを湾曲させれば、バックフォーカスを短くしても、みかけ上、光が垂直にはいるようにすることができるため、レンズ設計に有利になるということだと思われますね。
もしこれが実現すれば、中判センサーであってもフルサイズセンサーほどの全長のレンズで十分に素晴らしい性能のを発揮できる可能性があり、プロフェッショナルユースでは中判に置き換えることができるような場面がでてくることも考えられそうですよね。センサーを自社製造しているソニーだからできることだと思いますが、将来的にフルサイズより大きなセンサーのシステムについて検討していても不思議できないのかな?と思います。
そんなに湾曲センサーが素晴らしいのなら既存のセンサーにも応用したら?と思うのですが、既存のレンズはすべて平面センサー用に作られていますので、湾曲センサーを投入するとそれらのレンズはすべて利用できなくなってしまいます。なので、既存のシステムやマウントに湾曲センサーを取り入れることはできないのかな?と思いますね。
将来的に、ソニーは中判センサーのミラーレスを発売するのでしょうか?興味がありますね。
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コメント
コメント一覧 (2件)
写ルンですもフィルム面を湾曲させていたというのは良く聞く話です。
だからあんな小さなレンズでも、それなりの画質を破綻無く描写出来たのでしょうね。
ただ、単焦点レンズは良いとしても、ズームレンズなどでは湾曲している事が画質低下には繋がらないのでしょうか。
ソニーには湾曲センサを作る技術はある。
またレンズの焦点距離に応じてセンサの曲率を変える特許も存在する。
今のところフルサイズでも湾曲センサを搭載したカメラは無いように思えるので
中判と言うことを考えると将来への投資かもしれません。
先行としてフルサイズで実用化して欲しいです。
普通、球面のレンズでは像面の湾曲が起こるので湾曲センサが当該設計のレンズと共に
実用化されれば素晴らしいシステムが出来上がりますね。