半導体露光装置の特許の訴訟について和解が成立したようです。
Nikon、ASML、Carl Zeissはすべての訴訟を解決する契約に署名した。そこにはニコンへASMLとZeissから1億5000万ユーロの支払いの文言も含まれている。
おさらい:ニコンは半導体露光技術についての特許でASMLとZeissを訴えており、そしてその後にASMLとZeissがニコンを反訴していたが、ASMLとZeissがそれには勝訴しており、そして今度はニコンが支払いを受けるようなことに・・・。
Nikon、ASML、Zeissはすべての訴訟の解決の合意書にサイン
Nikon、ASML、Zeissは半導体露光装置、デジタルカメラの特許に関するすべての法的手続きの包括的若いに関する覚え書きにサインした。
覚え書き書では、Nikon、ASML、Zeissの間で、ヨーロッパ、日本、米国、米国国際貿易委員会を含め、係争中のすべての係争に関して拘束力のある合意としている。2019年2月、最終的和解と、クロスライセンス契約を締結し、当事者間の法的手続きのすべてを取り下げる予定だ。この覚え書き書にはASMLとZeissによるニコンへの総額1億5000万ユーロの支払い、クロスライセンス契約には署名から10年間、露光装置の販売に対して0.8%の相互ロイヤリティの支払いが含まれる。
(記事を一部意訳しています)
半導体露光装置に関する特許に関して、ニコンとASMLが和解をしたようです。
半導体露光装置とは、ICチップなどを製造するための装置です。仕組み的には難しいのですが、レーザを照射して回路図を焼き付けて様々な処理して半導体を作ります。半導体は微細なものですので、レーザを照射するために必要なレンズは光学的に優れたものが必要なわけですが、だからニコンなどの光学メーカが、これらの装置に関わっているわけですね。
つい最近までニコンなど日本企業がシェアを多く持っていたのですが、海外のASMLによって次第にシェアを奪われ、日本企業は残念ながら半導体露光事業でシェアを大きく落としてしまいました。
そんな背景があっての今回の訴訟だったわけですが、互いにいろいろありつつも最終的にはこれまでの販売した製品に関してはASMLがニコンへ特許使用料を支払い、そして今後のクロスライセンス契約に関しては、互いに販売した製品で使用した特許に対し互いに0.8%のロイヤリティを支払うということで落ち着いたようです。
こういうものは複雑な事情が絡んでいるでしょうから、表面上から見えることだけから判断するのは難しいと思いますが、この結果だけみるとニコンの主張が認められていると考えるのが妥当のように感じますね。
少なくとも190億円の賠償を得たというのは大きいと思います。さらにクロスライセンスということでASMLの特許をニコンが利用できるということも大きいと思われます。
ですが、シェア的にはASMLが優位であることは事実なようですので、今後はそれを挽回することができるかが注目されるところですね。
詳細は本記事下部の記事元リンクからどうぞ。
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